ノックしたのは、
どうせ おんま だろうと
布団にくるまったまま何もしないでいると
ドアがそっと開いた。
そして、
頭の上にそっと手を置かれたかと思うと、
そこにはジョングクくんが居た。
ジョングクくんの方が今にも泣き出しそうな声で
私の顔を覗き込んでくる。
もちろん私の顔は涙でぐちゃぐちゃ。
ジョングクくんに目を合わせられそうになって、
必死に顔を背けると、
頬に手を添えられて、無理やり目が合った。
こんな時にまでそんなこと言われても、
ちっとも気分は晴れないはずなのに
ジョングクくんの逞しい両腕に引き寄せられて、
いつの間にかジョングクくんの腕の中にすっぽり入って、
頭を優しく撫でられたら、
ジョングクくんの温もりもいいな、
なんて
一瞬考えてしまった。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。