…今更ながら、
隣の席にててがいるのが気まずい。
そう言われることも増えた。
…せめて、喧嘩でもできたらどれだけ嬉しいだろう
喧嘩だとしても、ててと話せるきっかけができるのに。
時々、てての方をちらっと見てみても
私なんか居ないかのように振る舞われる。
ててに肩が当たってしまっても、
完全に無視される。
怒鳴ってよ、怒ってよ、
暴言でもなんでもいいから、
私に喋ってよ______
そんなことすら考えてしまう私は、おかしいんだろうか。
昼休み、
ジョングクくんに誘われて屋上で弁当を食べている。
ジョングクくんは、本当に優しい。
いつも私の心配ばっかりしてくれて
先輩なのに、情けないなあ。
思わず笑ってしまう。
急にそう聞いたジョングクくんの目が、
あまりにも真っ直ぐで、真剣で
少しだけ、心臓が鳴った。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!