《 じょんぐく side 》
…テヒョンさんは、
付き合っていなかった??
全身の力が抜けた。
今までの自分が馬鹿みたいで、
でもやっぱり悔しくて
複雑な気持ちでいると、ジミニヒョンが現れた。
あなたぬなが、やられてる…?
行かなきゃ、
走り出そうとしたとき
テヒョンさんが、先に動いた。
僕もあとをついて行きたいのに、
なぜか身体が固まったまま動かない。
…なぜか、
これでいいんだ、という気持ちになった。
…そうだ、
もともとぬなには、テヒョンさんがお似合いで
僕なんて ______
突然、ジミニヒョンが声を出す。
そんなの、誰よりも自分が分かってる。
今この瞬間も、ずっと、ぬなしか見えていない。
僕には、ぬなしかいないんだ。
でも、
ぬなは俺のそばで泣くことが多くて、
その度に、ぬなの苦しんでる姿を見るのは、
もう嫌だ。
好きな人には、ずっと笑っていてほしい。
だって僕は、ぬなの笑顔がいちばん好きだから ______
… でもまあしばらくは、
あなたぬなが居なくなった寂しさを
ジミニヒョンに埋めてもらおっかな、なんて。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。