第6話

初めて
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2021/12/27 20:40
名井南
名井南
はぁ、、んぁっ、、チェ、ヨン、さぁん
予想通り全然気持ちよくない。


というよりは気持ちいいスポットをわざと避けて突かれている気がする。


ただの指だから男性のように太さもなければその細さを補う技量も無い。


今までで一番気持ち悪いセックスだった。


不快感というよりはすべて演技なのを見透かされてる気分になった。
名井南
名井南
イクッ、、んぁっぁ、ビクビク
ソン・チェヨン
ソン・チェヨン
お疲れさまです
そういうとチェヨンさんは私の頭を優しくなでながら布団をかけてくれた。
ソン・チェヨン
ソン・チェヨン
今日、私ここに泊まるんですけどどうします?
入ってきたときに2つベッドがあることに違和感を感じてたけど私も泊まれるようにと一応ベッドを2つとってくれたのかな?
ソン・チェヨン
ソン・チェヨン
まぁ帰りたいなら帰ってください
私はお風呂入ってきます
素っ気なくそう言ってお風呂に行ってしまった。


この一連の流れの中で彼女の表情はずっと同じ。


行為中にも真顔から顔を変えることはなかった。


なんなん?連絡までして日程も決めてやりたかったんやないん?


ここまで相手のことを読めないのが初めてで頭が混乱する。


気づかないうちに疲れていたのか私はそこで意識を手放した。
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「プルルルッ」


私のものではない着信音で目が覚める。


私の隣のベッドがもぞもぞと動き始めて携帯のスクリーンを見た瞬間早足でトイレに駆け込んでいったチェヨンさん。


そんなんされたら気になるやん。


そう思いゆっくり立ち上がってバスローブを適当に着て、トイレの前に座り込む。
ソン・チェヨン
ソン・チェヨン
あぁーもうサナ今日はかけてこないでって言ったじゃん
えっもしかして恋人持ち?


扉を挟んでいるから聞こえるのはチェヨンさんの声のみ、嬉しそうな声が聞こえて何故か胸の奥がチクっといたんだ。
ソン・チェヨン
ソン・チェヨン
えっと、今回の子も残念ながら不合格かな
不合格なんの話?
ソン・チェヨン
ソン・チェヨン
うん、顔やスタイルは国宝級なんだけどすぐに演技だとバレちゃうと思う
仕事の話やろか?演技が必要なん?
ソン・チェヨン
ソン・チェヨン
うん、名井さんも行為中に悲しそうな笑みを浮かべる
やっぱり美人でスタイルよくて上手い人はなかなかいないよね
私の話?


そこでバラバラのピースが一気に繋がった気がした。


この人は私に興味がないんや、、そう思った瞬間、今まで感じたことのない虚無感に襲われた。


「ガチャッ」
名井南
名井南
なぁ、、
ソン・チェヨン
ソン・チェヨン
へっ?あっ、ま、また後で連絡するよ
随分焦ったように電話を切ったチェヨンさん。
名井南
名井南
誰と電話してたん?
ソン・チェヨン
ソン・チェヨン
えーっと、、、と、友達
名井南
名井南
私は不合格やったんや、、、
ソン・チェヨン
ソン・チェヨン
き、聞いてたんですか!?
名井南
名井南
そんな演技下手やった?
壁に追い詰めていけばいくほど、チェヨンさんの顔はわかりやすく曇る。
ソン・チェヨン
ソン・チェヨン
そ、そんなんじゃないですよ
名井南
名井南
詳しく聞かせてくれへん?
その合格、不合格とやらを、、、
大きく深呼吸した後、チェヨンさんは口を開いた。

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