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第1話

生きている証
8
2019/01/27 02:21
高2の春。僕はあなたにクラス替えで同じになった。
彼女の名前はバトミントン部の久保史緒里。同じ体育館部活で何度か見かけ、少し話をするくらいになった。まだあの感情にも気づいていなかった。
梅雨のある時期、台風が近づいていたある日彼女は、学校を休むようになった。
バド部の女子から入院していると聞き、自転車で病院まで急いだ。
彼女の病室に向かう途中、医師のあの一言が聞こえた。
「あと、2年が限度かと思います」
約束。久保が復帰してきたのは、暑い夏だった。
僕達は連絡先を交換し、お互いの部活が休みの日の夜に駅で待ち合わせしてご飯の約束をした。
そして、僕達は付き合うことになった。7月30日がお互いの付き合い記念日になった。
2年後。
高1になる前の3月。久しぶりにメールを送ってみた
久保〜
覚えてる〜??
翼南高校行くんだって聞いたんだけど、また同じだね〜
返信はすぐに来た
頼信くん覚えてるよ
翼南高校にバスケ推薦なんでしょ???
すごいね!
久しぶりにデートしよー❤️
来週の日曜の夜いつもの駅で6時30分ね!絶対だよ!

すごーい!またよろしく!

言葉が出ない。
来週の日曜の夜あの駅は、人で溢れていた
だが、
約束の時間になっても、久保は来なかった。
僕の電話のベルが鳴り響いた
見たことのない番号からの電話だった。徳陽病院という所だった。
久保が、僕との約束の駅に向かう途中にトラックに轢かれ、運ばれたが即死だったということだった
僕は急いで病院向かった。
久保の両親が病室にいた。久保の母親は僕の顔を見るなり泣きついてきた
「あなたのせいで史緒里は死んだ」「あなたなんかと出掛けるから」など
僕はただすいませんとしか言えなかった

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