第2話

story2
217
2019/05/05 00:21
忠義side
『やっべーぜってー怒られる!!』
猛スピードで坂を下る
時計は既に10時半を指している
今日はおとん帰ってくるしはよ帰ってこいって言われとったんに!
自転車の回転をあげながらふと、さっきの言葉を思い出していた..
「今時、漁師とか超ダサくね?」
高校の友達から言われた言葉
俺は海沿いの小さな町にすんでいて
おとんは今時珍しい漁師という職で飯を食ってる
俺はちっちゃい頃からそんな親父の背中を見て育ったから
海は好きだったし
漁師という仕事にもとくに違和感を感じることはなかった
でも坂の上の都会に住む奴等には漁師なんか「ださい」職業らしく
散々馬鹿にされ


今日に至っては別にたいして楽しくもない打ち上げに無理矢理参加させられて
帰るにも帰れなくてついつい長居してしもた
『あーもうなんやねん!あいつら!』
苛立ちを力に変えて加速力をぐんぐんとあげていく
俺の傍らにはでっかい海が月の光を反射し静かに揺れていた

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