第21話

終わった恋と始まる恋
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2022/09/22 23:00
長谷川 あおば
長谷川 あおば
なんか久しぶりだなぁ
ひよちゃんとこうしてカフェ来るの
木下 ひより
木下 ひより
そうだね!ごめんね?
夏休みからバイトばっかりだったから
長谷川 あおば
長谷川 あおば
あと清瀬くん、ね
木下 ひより
木下 ひより
……うん、それももう
終わっちゃったけどね
清瀬くんとのお試し期間が終わってから、すぐにコンビニでのバイトも辞めた。

……何だか感じ悪いかなぁとは思いつつも、清瀬くんのことを諦めるためにも、なるべく清瀬くんとの接点を断ちたい気持ちが大きかったから。
長谷川 あおば
長谷川 あおば
でも、ほんとにいいの?
木下 ひより
木下 ひより
……うん。
1ヶ月ももらえたんだよ。
楽しい思い出がたくさんできた
長谷川 あおば
長谷川 あおば
……そっか!ならいいんだ!
でも、辛い気持ちがあるなら
無理しないで、少しは頼ってね?
木下 ひより
木下 ひより
……ありがとう、あおば
学校でも、なるべく清瀬くんを避けて過ごすようになった。

そんな私に気づいているだろう清瀬くんが、今朝になって『なんでバイト辞めたの?』なんて聞くから、『もともと、夏休みの間だけの予定だったから』と笑顔を作るのが精一杯だった。
長谷川 あおば
長谷川 あおば
あ、そういえば!聞いた?
木下 ひより
木下 ひより
え?何を……?
長谷川 あおば
長谷川 あおば
莉子ちゃん、
凪くんにデートに誘われたんだって!
木下 ひより
木下 ひより
え!?……だって、あの2人
犬猿の仲じゃなかったっけ?
長谷川 あおば
長谷川 あおば
それがね、ひよちゃんと清瀬くんが
お試しで付き合うようになって
凪くんショック受けてたでしょ?
莉子ちゃんは「自分が言い出したことだから責任あるし」って
ずっと凪くんの話を聞いてあげてたんだよ
木下 ひより
木下 ひより
……うそ、
全然知らなかった
長谷川 あおば
長谷川 あおば
ビックリだよね〜!でも、
シスコン清瀬くんが許すかな?
私の恋は幕を閉じたけど、ココに今、新しい恋が花開くかもしれない。そう思ったら、なんだか少し心が晴れやかになった。
木下 ひより
木下 ひより
大丈夫だよ、きっと。
清瀬くんは、莉子ちゃんの幸せを
1番に考えるお兄ちゃんのはずだから
***

律side
清瀬 律
清瀬 律
あーーー
バイト仲間の広瀬くん
どーしたの、清瀬くん
清瀬 律
清瀬 律
あー、ごめん。
今日妹がデートに行っててさ〜
バイト仲間の広瀬くん
ふむふむ、心配なんだ?
清瀬 律
清瀬 律
……いやでも、もう高校生だし
彼氏ができたって仕方ないって
頭では分かってはいるんだけどさ〜
朝、『私、今日デートだから夜ご飯いらない』って、母さんに言ってるの聞いた時は味噌汁盛大に吹き出しそうになったけど。

……今までも、男子から人気があった莉子だけど、"彼氏"なんて作ったことなくて

なのに、ここに来て突然"デート"って。
相手は誰だ?デートってどこで何するんだ?帰りは何時だ?なんて心配になって、バイト中だってのに上の空。

これだから、シスコンって言われんだよなぁ。
バイト仲間の広瀬くん
ま、それが分かってんなら
あとは気持ちの整理をするだけっしょ!
俺、品出しすんね〜
清瀬 律
清瀬 律
っ、おう
『私、品出しするね〜!』

広瀬の言葉に、咄嗟にヒヨコの声を思い出す。
どん臭くて、見た目よりずっと要領が悪くて、だけど、どんな仕事にも誰より一生懸命で。

いつも笑ってた。
いるだけでその場が明るくなって、華やいだっけ。

だからクラスメイトにも莉子にも慕われて。
それに……。
清瀬 律
清瀬 律
あの幼なじみ……
絶対ヒヨコのこと好きだよなぁ
寂しい。
それが、今の俺の素直な気持ちだと思う。

ヒヨコがいてくれた毎日が恋しい。
あの日々に戻りたい。

……だけど、もうヒヨコはいない。
この現実を受け止めるしかないんだよな。