ネズはあなたを追ってタチフサグマと共にトキワの森に来ていた。
いったいどこに行ったのだろうか。
あれだけ拒否されたのに、
ほっておけばいいのに、また追いかけている。
自分の馬鹿さ加減に笑えてくる。
しかし、好きなのだ。
ポケモンに囲まれている彼女が。
幸せそうな彼女のポケモン達を見るのが。
ネズは二匹のタチフサグマを筆頭にキャタピーらを倒していく。
カラフルなキャタピーは強かった。しかし、ブリーダーのあなたとは違い、こっちはジムリーダーである。くぐって来た修羅場の数が違う。
タチフサグマ達は傷薬を貰いながら進む。
と、タチフサグマが咆哮をあげた。
そこには屋敷があった。しかも行列ができている。
なんの行列かと聞こうとするとこんな声が聞こえてきた
ガードマンが揉めている箇所を発見し近づいできた。
遺品だと言わんばかりに血染めのハンカチを手渡す。
ハンカチの他にバッグも手渡される。どれもボロボロになっていた。
嘘だと思いたかったが、ネズは見てしまった。横切るメタリックなピンク色のメッソンを
事前に仕入れた情報ではカントーにメッソンはいないはずだ。
いるとしたらガラルの人物がこの場所を訪れたということだ。
ネズがすぐに思いつくメッソンの進化系を持つ人間は1人である
あなただ。
あなたは自分のポケモンは槍が降ろうが全力で守りに行く。
つまり、いや、でも、そんな、バカな
ネズはスマホロトムを弄りキバナにメッセージを送った。
すると、光の速さで激が飛んできた。
ネズはポケスタグラムをチェックする。
@スカスカピーマン
メールに添付されてた暗証番号言わなくても
色ポケGETできたんですがwww
そこには、他国出身であるとわかるとポケモンのサンプルを採るだけで 逃がしてもらえるということが載っていた。
この記事が本当だとしたら、あなたは絶対、自分のポケモンを提出しないだろう。
スカスカピーマンが場所を写真で載せていた。
自撮り付きで
ネズは場所へと急ぐ。
するとあなたは木によりかかって気を失っているようだった。
スっと彼女の体を抱き上げる。
とても冷たかった。
ネズの足元に毒々しい色のメッソンが飛び出した。
何故、メッソンがいるか、
簡単な話だ。
何が、ブリーダーだろうか。
つまらない意地の張り合いで、ポケモンのことも考えずに飛び出し、案の定捕まりこのザマだ。
何が、大人なもんか。
こんなんだからネズは大人として見れなかったんじゃないか。
緑色のメッソンはびっくりしてぴいぴい泣いている。
止めなくては、
こんなこと、止めなくては
こんな命を弄ぶ行為は…
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!