ニュアージュ:
中でトートが待っている
コンコン
トート:
どうぞ
トート:
適当に座って
トート:
この庵には、薬を作るときか寝るときしないないからね
トート:
後ろの木って、何の木か知ってる?
トート:
この世界樹の木の樹液は、よく使われているわ
葉も、枝もすべて、何かの薬になってるの
私は、この世界樹の木から生まれたの
トート:
そうよ エルフ族でもドワーフ族でも人族でもない
風の神よ
どこから生まれるっていうの?
トート:
私は生まれたときから、一人だった
トート:
4人はいたわよ、生まれる前からいる神だから
トート:
私は、生まれたときから風の王となるべくして、育てられたの
それが嫌で嫌で仕方なかった
トート:
王たるもの こうあるべきであるとか
これはやってはいけないって
王都での生活は、まるで牢獄に入っているようなものだった
トート:
風の王として、やらなければないないのは理解していたけど
その反面、それを壊したいっていう気持ちがあって
そのうちに、私の中で、女王としてふるまう自分と
自由にふるまう自分の二人が生まれたの
トート:
女王としての自分と、自由な自分 その二つが一緒に居れなくなったのが、ちょうど10歳の誕生日の日だったの
トート:
そう
トート:
そう 私は、子供のままがいやで大人になったけど
女王は、いつまでも子供なの
トート:
そうね
トート:
さすが、勇者ね
自分の国の事なのに、これまで何もできなかった
色々調べた結果、この国の人にはどうしようもなかった
トート:
でも、だからと言って、すべてを勇者に任せて、自分はここで待っているっていうのは、違うと思ってね
(`-´)(´◇`):
・・・・・・・・・・・・・・
トート:
自分では国は救えなくても、救ってくれる勇者を助けることができるんじゃないかって思ってね
だから一緒に行こうと思ったの
トート:
照史 神ちゃん ありがとう
淳太はいい仲間をもっているね
トート:
え~ 私のとりえがなくなるじゃない~~
トート:
わかりました やめます
そして ありがとう
私を仲間って言ってくれて うれしかった
トート:
も~~~~~ありがとっ じゃぁ 一緒に虚無を倒しにいくぞ~~~~~
トート:
洗脳って、悪い言い方しないで、私の魅力にやられたのよ
トート:
このことは二人の胸の中におさめていてね
みんなに気を使われるのは嫌だから
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。