巡る季節。
梅の花が咲く頃,俺はとても綺麗な人を見た。
優しく微笑む顔がとても魅力的だったことを今でも覚えてる。
1人で梅の木の下で歌ってたいた。
声をかけられた俺は驚きながら振り向いた。
そこに立っていたのは,さっき梅の木の下の近くで見た人だった。
驚いて言葉を失って発せなかった。
照れながら頭を下げると頭上で笑われてので反射的に顔を上げた。
そこで笑っている人はとても綺麗で目が離せない…そんな人だった。
失礼だけど,最初女の人かと思った。
でも、よく見たらその人に胸はなくはむしろ筋肉質で出来ていたので俺は普通に羨ましい思いながら見惚れていた。
ふとそう言われ我に返った。見惚れていて,我を完璧に忘れていた。
噛みながら答えると目の前の男の人は笑いだした。
5分くらい笑い,最後は爆笑していた。そんなこんなしていると木の影から見知らぬ男の人が出てきて,その人に声をかけた。
そう答えると男子の人は俺を見て笑って言った。
そう言うと梅の花の嵐の中に消えていった。
でも,そんなこと言われた俺の胸の高鳴りはいつまで経っても収まらなかった。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。