第17話

♯16
2,863
2021/06/20 05:12
全員がモニターに集中しているそのとき、天鬼の耳には微かに鴉の声が聞こえた。


『!!』

周りからしたらただの鴉だと思うかもしれないが、天鬼にはその鳴き声がミカゲのものだと分かった。

伊達に前世からの付き合いなのだ。


『オールマイト、少し外します。』

「え、ああ、うん……。」


天鬼はそう言い捨てて、モニタールームを出た。

「………。」

そんな天鬼を、轟はじっと見つめていた。






『……ミカゲ?どうしたの。』

外に出てみれば、やはり天鬼の鎹鴉のミカゲが空を旋回していた。


「あなた!!御館様カラ手紙ダァ!!」


よく見れば、ミカゲの足には紙が結ばれている。

『御館様から…?』

ミカゲはゆっくりと降りてきて、天鬼の肩に留まった。

『ありがとう。』

ミカゲの足から手紙を取り、開けば、短くこう書かれていた。


"ヒーローに協力をすることになった。

その為、ヒーローと鬼殺隊参加の会議を行う。それにあなたも参加して欲しい。

返事を待っているよ。

産屋敷耀哉"


『ヒーローと手を組む…!?』

天鬼は驚いた。まさかあの御館様が、ヒーローとの協力を許可するなんて、と。


ミカゲによれば、御館様は詳しい内容を話したいので、今日の夜に屋敷に来て欲しいとの事だった。

『(鬼殺隊員のほぼ全員がヒーロー嫌いなのを誰よりも知っている御館様が……。)』

天鬼は動揺を隠せなかったが、ミカゲに礼を言い、その手紙の裏に素早く「参加する」と書いた。


『じゃあミカゲ、お願いね。』


「カァァァ!!モチロンダァ!」


ミカゲは再び空に飛び立った。


天鬼はミカゲが見えなくなった頃に、モニタールームに戻って行った。

音もなく部屋に戻れば、爆豪対緑谷の訓練は終わってしまっていて、そこにはボロボロになった緑谷が搬送されている画が映っていた。

『……なんでこんなボロボロなんだ…。』

天鬼はふと、相澤先生の言葉を思い出した。

"個性が身体に合っていない。"


確かに、個性把握テストでも、指が紫色に変色し、腫れ上がっていた。

まだ個性を使いこなせていないのだ。

では、何故まだ使いこなせていないのか。

個性が突然発現した、としか言いようが無かった。

以前に爆豪が個性把握テストで「無個性」だと言っていた。

なら、中学卒業から雄英入学までに個性が発現したのだが、まだ使いこなせない。

そういう解釈でいいだろうと天鬼は思った。


一方、爆豪は緑谷が搬送されている姿を複雑な顔で見ていた。

彼にしては、やけに静かで、天鬼は何かがあったのだと察した。


この訓練では、緑谷チーム──ヒーロー側──の勝利だったようだ。

だが、別のカメラでは、核にペタリとくっついて、顔色が優れない麗日と、なぜか落ち込んでいる飯田がいた。


『(初戦にしては派手すぎじゃないか…?)』

今にも崩れそうな建物を見て、天鬼は不安になっていた。


〖NEXT ➤〗
作者(不詳)
作者(不詳)
☆復٩(ˊᗜˋ*)و活☆
作者(不詳)
作者(不詳)
まだ疲れは取れてないですが、一応大会は終わりました😊
作者(不詳)
作者(不詳)
まだもう少し先輩達と一緒に居れて、嬉しいです☺
作者(不詳)
作者(不詳)
皆さんも、疲れは溜め込みすぎず、適度に発散しましょう‼️
作者(不詳)
作者(不詳)
それでは、更に向こうへ!!Plus ultra!!

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