お友達のハンソル君だ。
生徒会室を覗いてすんぐぁん君が居るのを確認すると、ドアを開けて入ってきた。
しかし、そこに私がいるのに気づき
申し訳なさそうな顔をしながら
「すみません。ちょっとすんぐぁん借りていいですか?」
と聞いてくる。
「うん!全然いいよ!気にしないで!」
ととっさに返す。
「ごめんなさい!すぐ戻ってきます!」
と席を立つすんぐぁん君。
ハンソル君とすんぐぁん君が居なくりなり教室に取り残されると
みんなの、楽しそうな声に
更に虚しさが募る。
もちろん、私に友だちが居ないわけではない。
遊びに誘えば来てくれる友達はいる。
しかし、私の方から断ることが多くなると
自然と誘いも来なくなるものだ。
さらに、2年になって見事に自分だけ
クラスが離れてしまい
友達と話す機会も減った。
最初は、乗り切れるか不安だったが
持ち前の根気強さでここまで来たんだ。
ここで挫けるわけにはいかない。
少し、虚しい思いを募らせながら
作業に没頭していると
すんぐぁん君が戻ってきた。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。