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序章 <契約>
私の名前は、青霧莉愛(あおぎり りあ)。かもめ学園に高等科の一年生です!成績は学年トップクラスで私の祖先はとても強い魔法使い。ちょっとした魔法なんかも使えちゃいます。
そんな私は今、トイレにいる。普通にここにいるのではない。ある理由があってここにいるのである…
扉をトン、トン、トンと叩いた。
私はこの学園に伝わる七番目の怪異、トイレの花子さんと契約しに来たのだ。どうせ、ガセネタだろうし…ガセネタじゃなくても最悪追い払えば大丈夫だしね…ちょっと間をおいて扉の方を見たが…反応は?
本当に声が聞こえたよ!?き…きっと気のせいだよね?扉を開いて中を見た。うん、やっぱりいないじゃない。
そう声が聞こえ、恐る恐る振り向くと
後ろには男の子がいた。呪符?が頬に張られていて、昔の制服を来ている。男の子。
その男の子は怖がっている私をまるでおかしいとでも言わんばかりに笑い始めた。ん…?男の子?
願い…そうだ。私はある願いがあってここに来た。きっと、花子くんであれば叶えてくれるであろう。
そういえばまだ花子くんの前で名乗ってなかったっけ?
ついむきになって反応してしまった…ここは冷静に
花子くんは不思議そうに聞き返してきた
花子くんは慌てて帰ろうとするけど私は止める
これって、花子くん大丈夫なのかな?私魔力というか神聖力は結構強いけど…1怪異である花子くんに耐えられるかどうか
そういい、精神を魔法に集中させる。魔方陣を展開するときに一番大事なのは集中力。最初は小さなものを作り出して、徐々に徐々に大きくしていって、数分もしないうちにそれは完成した。
目を開けて周りを見ると、花子くんも同じものを展開したようだった。そして、魔力が入ってくる感覚と、抜けていく感覚。その両方が私を襲った。だが、途中で…頭のなかになにかが見え始めた。
男の子がそこにはいた。学校の教室の窓に腰かけてなにかをいっている。
その男の子の声が聞こえた瞬間に、バラバラと三角のパーツが飛んでいって、いつしかその姿は見えなくなった。
徐々に徐々に私の意識は戻ってくる。数分後、私の意識は完全に戻ってきて、目の前では心配そうに子猫のような髪の毛を揺らしながらたっている人がいた。
花子くんは無邪気な笑顔で言った。がその直後に先程とは対照的な不適な笑みを浮かべて言葉を紡ぐ。
労働力か…いったい何をすればいいの?と放心状態になりながら花子くんに問うと、彼は答える。
花子くんの声に答えるように私は精一杯の笑顔を浮かべて言った
こうして、摩訶不思議な怪異との不思議な共同生活が始まったのであった。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。