第3話

マリーゴールドの咲く所編 <二章>
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2020/01/01 02:44
所変わって、放課後の女子トイレに場所は変わる。
花子くん
あー!ようやく来てくれたね!リア
入った瞬間、花子くんの嬉しそうな声が聞こえてきて後ろから飛びかかってきた…うぅ…暑苦しい。ということで軽く振り払った。
莉愛
莉愛
花子くん…暑苦しいよ…ちょっとは落ち着いてくれ…
花子くん
ごめんごめん、ちょっとしたスキンシップだから気にしないで
珍しく引き下がる花子くん…これは裏がありそうだな…
私は少し警戒をすることにした。
莉愛
莉愛
それで、何のようなの?花子くん
花子くん
いや~そろそろ契約者の願いを叶えてあげようかな~何て思ってね。
願い…ということは私の[友達が欲しい]っていうお願いを叶えてくれるのかな…それでもとてつもない違和感を覚えてしまう
けど、願いを叶えてくれるってことは危険なことはしないんじゃないかな…って思うんだけどここまで違和感が大きいのは何故だろうか?私の疑い深いだけか?
花子くん
ちょっとリア~そんな人を疑う目で見ないでよ。
莉愛
莉愛
いやだってね?普通に考えてだよ?花子くんがそんな嬉々とした表情をしているってことは嫌な予感しかしないんだよ…
思ったことをそのまま口にしたが…花子くんは落ち込んでいる(?)。事実は人を傷つけるっていうけどここまで傷付くものか?
花子くん
な~んてね、まあその予感も当たり…?
まあ結論的に言えば勿論演技だったね…面倒そうだから逃げよう。そうしようと思いドアから外に出ようとすると何かが自分の頭に上にもふっと落ちてきた。これは…?
花子くん
あー!なんで落ちてきちゃったのさ…
花子くんががっかりとしているけど、訳がわからないよ。落ちてきたって?まず、今落ちてきたものはなに?
えーっと…とりあえず頭の上にいる物を手に取ってみた。とってももふもふなその生物は…うさぎ?
うさぎ??
うさぎ??
なんだおまえ
うさぎ??
うさぎ??
われらに、なにかようか?
莉愛
莉愛
ん????なにこのもふもふちゃん
ちょっとだけ高圧的な態度をとっている?否、とろうとしているがそれは可愛さがすべてを消している。なんだこの癒し
花子くん
その子はね、もっけっていうんだけど…
莉愛
莉愛
もっけちゃんっていうの?
もっけちゃん
もっけちゃん
そうだ、われらはもっけ
もっけちゃん
もっけちゃん
よろしくな
莉愛
莉愛
よ…よろしくね
この子は…多分怪異だと思うけど…あまり強力な気配は感じない。力が弱いのかな?
花子くん
不思議そうに首かしげてるけどなにか気になるの?
莉愛
莉愛
いや、この子って怪異なのかっていう疑問がさっきからぐるぐるしているんだけど…妖力がとっても弱いし…でも花子くんが言うんだったら怪異絡み?だろうし…そもそも怪異じゃなかったら新種の喋る兎として研究所に…
もっけちゃん
もっけちゃん
やめろ!それにわれらはかいい、にんげんにはみえない。
もっけちゃん
もっけちゃん
おまえみたいなとくしゅなにんげんをのぞけば
花子くん
あー…そんなことか…流石青霧家の人間だね。霊力の強い霊しか除霊してこなかったの?
莉愛
莉愛
そんなことはないはずよ…
花子くん
まぁ、もっけはとても弱くて臆病な怪異だしね…昔は色々あって大変だったけど『妖精さん』って知らない?
莉愛
莉愛
妖精さんって…学校に流れている噂のひとつだよね?確かいつの間にか物ながなくなっていることがあれば妖精さんの仕業です~ただ、飴を持っていれば大丈夫てきな?
花子くん
そうそうそれそれ。その怪異がこの子さ
そう花子くんは言ったが、この子達が物を盗っている姿を想像するととても愛らしい。少し吹き出してしまった。
もっけちゃん
もっけちゃん
だいじょうぶか?
莉愛
莉愛
大丈夫だよ
そういうと花子くんはとても無邪気な笑顔で言った
花子くん
それでね~その子が友達じゃダメかな~って!
ほらね、花子くん普通に願いを叶えようとしなかったでしょ…別にいいんだけどね♪ちょっといたい目に遭ってもらうだけだから…ちょっと…
莉愛
莉愛
いでよ!紅葉
因みに今私が召喚したのは紅葉もみじという名前のおおぬさである。
花子くん
ん?え?ちょっとまて莉愛。なんでそんな物騒なの構えてるの?
花子くん
なにも言わずに近寄らないで?
もっけちゃん
もっけちゃん
これは
もっけちゃん
もっけちゃん
仕方ないな
もっけちゃん
もっけちゃん
そのせきばん、われらがもらう
花子くん
もっけまで!?
そして数分後、女子トイレには花子くんの絶叫が響くのであった
ん?もちろん殺してないよ?ちょっと・・・・痛い目に遭ってもらうだけだからね

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