所変わって、放課後の女子トイレに場所は変わる。
入った瞬間、花子くんの嬉しそうな声が聞こえてきて後ろから飛びかかってきた…うぅ…暑苦しい。ということで軽く振り払った。
珍しく引き下がる花子くん…これは裏がありそうだな…
私は少し警戒をすることにした。
願い…ということは私の[友達が欲しい]っていうお願いを叶えてくれるのかな…それでもとてつもない違和感を覚えてしまう
けど、願いを叶えてくれるってことは危険なことはしないんじゃないかな…って思うんだけどここまで違和感が大きいのは何故だろうか?私の疑い深いだけか?
思ったことをそのまま口にしたが…花子くんは落ち込んでいる(?)。事実は人を傷つけるっていうけどここまで傷付くものか?
まあ結論的に言えば勿論演技だったね…面倒そうだから逃げよう。そうしようと思いドアから外に出ようとすると何かが自分の頭に上にもふっと落ちてきた。これは…?
花子くんががっかりとしているけど、訳がわからないよ。落ちてきたって?まず、今落ちてきたものはなに?
えーっと…とりあえず頭の上にいる物を手に取ってみた。とってももふもふなその生物は…うさぎ?
ちょっとだけ高圧的な態度をとっている?否、とろうとしているがそれは可愛さがすべてを消している。なんだこの癒し
この子は…多分怪異だと思うけど…あまり強力な気配は感じない。力が弱いのかな?
そう花子くんは言ったが、この子達が物を盗っている姿を想像するととても愛らしい。少し吹き出してしまった。
そういうと花子くんはとても無邪気な笑顔で言った
ほらね、花子くん普通に願いを叶えようとしなかったでしょ…別にいいんだけどね♪ちょっといたい目に遭ってもらうだけだから…ちょっと…
因みに今私が召喚したのは紅葉という名前のおおぬさである。
そして数分後、女子トイレには花子くんの絶叫が響くのであった
ん?もちろん殺してないよ?ちょっと痛い目に遭ってもらうだけだからね
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!