同日午後3時
墓地の最寄り駅で降りた冬華と夏希は、駅近くのカフェで少し遅めの昼食を摂ると、特に寄り道することもなく真っ直ぐと墓地へ向かった。
すると、前から来た2人が冬華と夏希に声をかけてきた。
こうして秋人の両親たちと別れたのだが、すぐに、後ろから秋人の母親から声をかけられたので振り向く。
そう言って、冬華と夏希は秋人の墓を、秋人の両親は駅の方を目指して歩いていく。
歩くと言っても対した距離ではないので秋人の両親と別れてから1分程度でついた。
笑い混じりで話す夏希が持っていたバックから出したのは、コンビニのお菓子売り場でよく見かけるような袋だった。袋には大きく「コンペイトウ」と書かれている。
そんなに話をしながら、金平糖をさっき秋人の両親が置いていったであろうジュースの缶の横に置く。2人は合掌する。
そう心の中で呟くと秋人の墓をあとにする。
そう言って2人は墓地を後にするのだった。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。