阿部side
俺は余命宣告をされた。
原因は悪性リンパ腫、余命はもってあと1年。
もう少し生きれる確率はないか聞いたらほぼないに等しいって。
「俺の人生、呆気なく終わっちゃうんだな」
そう思っていたらいつの間にか涙が出てきた。
まさか俺が余命宣告されるなんて思ってもいなかったし、余命宣告をされるとしてももう少し生きれると思っていた。
どうしようもない思いを抱え、俺しかいない病室で泣いていた。
コンコン
急にドアをノックする音が聞こえた。
はーい
よ!
ふっかじゃん、やっほ
ゼリー買ってきたよ、お前このゼリー好きだったもんな
ありがとうふっか
あなたから聞いたよ、検査結果
聞いたんだ
うん、もしかして聞いちゃダメだった?
いや、聞いてもらった方がよかったよ
やっぱり悪性リンパ腫ってヤバいの?
進行具合にもよるけどヤバいよ
そっか、俺もう死ぬのか
お前さ、すぐ死ぬって決めつけんなよ
だって余命宣告されたんだよ?
あと1年って、はっきり言われたの
でも奇跡が起こるかもしれないじゃん
じゃあその奇跡は何%の確率で起こるの?
は?
だから、何%の確率で起こるの?
それは…………、わからない
分からないならそんなこと言わないでよ、そんな確信もない話聞きたくないんだけど
阿部、一旦落ち着け
落ち着けるわけないだろ、余命宣告されて!
俺だって生きたい、生きたいよ
でも無理だって言われたんだよ!
だけど
だけどって何?
じゃあ聞くけどふっかだったら医学生と医師の言葉だったらどっちの言葉信じる?
それは……………
答えられないんじゃん
今日はもういいから帰って
お願い、もう少し話s
帰って!
俺は勢いでそう言ってしまった。
そっか、ごめんね、またね
悪いのは俺なのにふっかは謝って帰った。
あんなにキツいこと言われて苦しいはずなのに、そんな表情は一切見せず柔らかい笑顔で帰っていった。
ごめん、ごめんふっか………………
自分の気持ちを人に当たってしまったという侮辱さを感じながら、俺はまた1人の病室で泣いたのだった。
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