バコンっ
横から手が出てきて
鈴沢クンの顔を殴った
えっちょっ
俺のあなたとか言っちゃってるし
いつもは怒ったりしない
山田クンが怒ってる
もしかして、私のために...?
山田クンは低くて少し怖めの声で
そう言い放った
どうしよう.山田クン見てたら
ドキドキする
私なんか変だよ
頭もクラクラするし
すると鈴沢クンが開き直ったように
はぁ?!バカなの?この人
誘ってなんかないし.
ホントにありえない
ムカついたから殴ってやろうと思ったのに
私よりも先に山田クンの手がでた
そう言って山田クンは
警備員さんに鈴沢クンを任せた
少し照れるけど
今は素直になれた
どういうこと?
山田が私を見下ろして
何言ってるの?
すると彼の額が私の額にくっついて
息が触れそうな距離にますます頭がクラクラしてくる
私はその言葉に胸が締めつけられた
自分でも,ドキってしたのがわかった
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!
転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。