柊「諏訪」
諏訪「なんだよっ!」
柊「速水」
速水『...』
速水は睨むように柊を見た。
柊は生徒全員と1人ずつ、目を合わせるように語りだした
柊「お前らは間違ってない。
みんなお前らと一緒だよ。迷って、もがいて、途方に暮れて...それでも正解を求めて前を向く。
進んで進んで、ダメなら傷付きながら引き返す。
で、また歯を食いしばってまた前を向く。」
諏訪「...っ!」
柊「みんなみっともないんだよ。
でもそれでいい。それがいい!
恥を繰り返して強くなるんだよ。
っていうか、恥もかかずに強くなれると思うな!」
柊のその言葉に、生徒たちは胸を打たれた
柊「だから!諏訪!速水!お前らのこれまでは誰が何を言おうと!
絶対に間違っていない!」
諏訪は涙を流し、速水は壁に寄りかかってうつむいている。
"絶対に間違っていない"
この言葉がどれほど諏訪の心に、そして生徒たちの心に刺さったのか。
諏訪「おかしいなっ......なんで涙がっ......止まらないんだろう...っ......」
諏訪は柊の目を見て、覚悟を決めた。
制服のポケットに入っていたペンダントを取り出し、床にたたきつける。
中から出てきたメモリーカードを手にした柊は、俯いたままただ床の一点を見つめる速水に目を向けた。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!