あれから何日か。
遂に足が動かなくなった。
手も…口も…何かも動かなくなるのかな。
大好きな仲間達に、最愛の恋人に。
そう思って思い思い手を伸ばし便箋を手に取った。
そして文字を綴り始める。
最愛の浦田さんへ___.
✱
皆への手紙を描き終えると浦さんが遊びに来てくれた。
外は真っ暗なのに、大丈夫かな?
といってコトッと皿を置いてくれる。
少し甘えたい一心で言ってみる。
「自分で食え」って言われると思ったけど…
少し悲しそうに微笑む浦さん。
なんか悲しいな。
浦さんの補助もあってやっと車椅子に腰掛ける。
浦さんと世間話を交えてると、いつの間にか屋上にいた。
隣のベンチに腰掛けて眺める浦さんの横顔は
すごく綺麗だったんだ。
この顔も後何日見れるかな。
この魅了する様な背丈の低い君を。
見とれてたら…
寂しいな、なんて思ってたのは内緒。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!
転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。