坂田の部屋から見える星空はあの日の夜空を思わせていた。
隣をふと見ても大好きな彼はもう居ない。
あぁ、そうだ。
手紙、ろくなもん書いてねーんだろうな。
文才ないから。
見てやっか、。
大好きな浦田さんへ。
まず最初に。
先に死んじゃってごめんね。
僕も本当はもっと一緒に居たかったな。
僕が居なくても泣かないでね。
一緒に水族館行けて嬉しかったな!
お昼ご飯、お魚はなぁ…って思ったけど。
沢山コラボしたね。
沢山歌えて嬉しかったよ!
でねでね!
僕と浦田さんが最初に会った時、覚えてる?
僕が浦田さんに一目惚れしちゃったの。
へへ、懐かしいなぁ。
それから、手紙は何枚にも続いて遂に最後の1枚になった。
浦田さん、最後になるけど。
僕と出会ってくれてありがとう。
僕と一緒に進んでくれてありがとう。
僕に愛をくれてありがとう。
僕の愛を受け取ってくれてありがとう。
僕に笑顔を見せてくれてありがとう。
本当に大好き、生きている事に気が済んだらこっちにおいでね。
ずっと待ってるから、幸せに、なってね。
ありがとう。愛してる。
坂田
やっぱり、好き。
大好き、愛してる。
俺、坂田居ないと駄目だ。
坂田が居ないと…もう。
さよなら
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。