心配そうに顔をのぞき込むうらさんの右手には、
この前まーしぃ達から貰った水族館ペアチケットの
片方の1枚が大事に握られていた。
あまりにも素直で可愛くて。
ふさふさの頭をなでなでしたら、
にへっと笑顔になった。
今電車に乗ってんだけど、
生憎貸切状態で誰もいなかった、から。
少し触れるだけのキスだった。
それだけでも、うらさんからしてくれたって事で
心が満たされていた。
スマホを構えるとうらさんがピースして来た。
ピースの仕方も可愛い、うん。
早速、ツイート...
うらさんと水族館に向かってますぜ!
楽しみや!
楽しみだなぁ〜
そんな事思いながら電車を降りる。
うらさんは少し離れた所から僕を急かしていた。
楽しみだな。
うらさんとの最後のデート。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。