あれ？ チャリンコ！久しぶり！

(チャリンコ？) …お、お久しぶりです。

こんなとこで何してんの？

あ、店に寄ってくれたの？ごめんね、うちの店、もう無くなっちゃったんだぁ〜。

ぁ〜…はぃ。…あなた、さんから聞きまし、た。

！　え、まじ？
あんたらどう言う関係よ。

えっ！　ぁ〜、ぃゃ、そ…の〜。

ㅋㅋㅋㅋㅋ
嘘、嘘、冗談。 そこまで野暮な事聞かないよ。 お好きにど〜ぞ♫ ふたりでしっぽりやっちゃって。

いやいやいやいや！///　お姉さん!!! し、…しっぽりって、そんな！///　ぼ、僕たちは…そ、そ、そ、そんな関係じゃないですよ。///

あの店…、本当はうちのお母さんの実家の店だったの。

…ぇ。

実は、お父さんもあの店のお客さんでね。お母さんに一目惚れして、毎日会いに通ってたのよ。ウケるよね。ㅋㅋㅋ

…。

あんたとあなたみたいじゃん？ㅋㅋㅋ

え”！ あ、いや！僕は…そ、そんな…べ、つに…。///

ふ〜ん？ まぁ、そう言うことにしといてあげる。

そんでふたり結婚して、コーヒー好きだったアッパの為にカフェを併設して、ふたりの店になったんだって。

…お店を続けない事にした理由も、聞いたの？

ぇっと、はぃ…。ぁ、の…経済的な事…ですよね。

…ぁ〜、ぅん。
それも…そう、なんだけど。

…？

…あなたの為でもあんのよ。

…？

どうしても、…あなたには、あの店を手放してほしかったの。

あの場所があるとね、…あなたが動けなくなんのよ。

…。

…またあなたが必死になって守ろうとするから…、私はそれを辞めさせたいの。

お母さんが死んで、店の手伝いを進んで手伝うようになって。友達とも遊びに出掛けたりしないし、物欲も無いし、最終的には行きたい大学に「行きたい」って言う事も辞めたのよ?!   信じられる?!

最初は何でそこまでするのか、分かんなかった。あなたは優しすぎるから…お父さんの為にやってるって思ってたから、お父さんも「自分が我慢させているのかも」って気にするようになって…。でも、…今思うと…自分の為だったんじゃないかって思うの。

…。

本当は誰よりも弱くて、あの店に拘（こだわ）っていたのはあなた自身なんじゃないかって、思ったの。きっと寂しさを紛らわせてただけなのよ。でも…あの子ももういい歳だし、これからは自分のために時間を使ってほしいから…手放すように私がお願いしたの。

…そう、だったん…です、ね。

げっ！もうこんな時間！ちょっと！長話させんじゃないわよ〜！卵買ったの忘れてたじゃないの！ダメになったら、あんたのせいだからね！

(な、なんでㅎㅎ) …す、すみません。

あっ、そうだ！

？

今度あなたに会ったらさ、行きたかった大学聞いてみなよ。 色々話してくれるかもよ〜。 じゃあね〜。 バイバイ、チャリンコ！ あなたと仲良くね〜♫

…は、はぁ〜……い。

(あなたさんの行きたかった大学って、どこだろう。)