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カ「ああ、よろしく頼むなあなた」
『任せろカラ松』
傷口を洗ってきたカラ松の身体を見る
『結構深いのもあるね…』
カ「ああ…そうだ、あなたならこの刀を
扱えるかもしれんな」
『え?私?』
するとカラ松はちょっと待ってろと部屋を出た
『え!カラ松?!』
カ「これだ」
すぐに戻って来たので安心した
ビリッとした感覚と同時になにかを呼ぶ声が聞こえた
思わず座ってた椅子を倒してしまった
カ「?どうしたんだあなた」
え、カラ松には聞こえないの?
『…ちょっと喋らないで』
[ねぇ…聞こえるの?……]
『うん、聞こえる』
誰だろう
[!!聞こえるの…ね?]
『聞こえてるよ、
あなたは一体どこから話してるの?』
[ここよ、ここ。ほら、あなたの前の。]
そう言われて目の前を見るとカラ松が持ってきた刀があった
『刀さん、??』
[そうよ、あなたにお願いがあるの]
『お願い??』
[ええ、そのお願い、あなたに頼んでもいいかしら?]
お「っツァー!染みるぜぇ、」
『ちょっとおそ松喋らないで!』
お「はぁ?」
カ「いいから兄貴喋るな」
チェッと言いながら黙るおそ松
『ええ、いいわよ。今すぐじゃないといけない
お願い?』
[いいえ、そんなことないわ。聞いてくれるならいいのよ。でもそんなに20年も待てないわ]
『大丈夫、そんなに待たせないって』
[ありがとう。優しいのね。では少しお話しましょ??]
『いいねえ、ガールズトーク?』
[ふふ、誰も私の声が聞こえないみたいなの。
私もいつか誰かとお話してみたかったのよ]
『刀も大変なのねぇ』
[そうよ。でも1つ喋れる方法があるの]
『どんなこと?』
[すごくえっちくさいのだけれど、唾液を私に垂らしてくれれば誰とでもお話できるのよ]
『へぇ、そんな感じなのね…じゃああの二人ともお話出来るようにしようか』
[あの二人がいいならお願いするわ]
『分かった』
放ったらかしにしていた長兄に向き直る
お「なーなー、あなたさ誰と喋ってんだ??」
『刀と。カラ松もおそ松も刀と話したい?』
カ「フッ、気になるぜ…」
『おそ松は?』
お「俺だけ話せんのはイヤだ!だからする!」
『子供か!じゃあ二人とも口開けて』
おカ「え?」
『んん、じゃあおそ松からこの刀にヨダレ垂らして』
カラ松から刀を受け取る
お「ええ!やだよ!なんで?!」
『じゃあおそ松は刀と話さないのね。はい、カラ松からやっちゃお』
カ「おう」
カラ松の方に行こうとする
パシッ
『おっ、?』
誰かに腕を掴まれた感触がしたと思えば
今度は後ろに引っ張られる
『え』
おそ松は私の手をそのまま自分の口に持っていく
まさか刃の部分が怖いのかな…
だから取っ手がいいのか!
『ねえ刀さん。唾液かける場所って取っ手でも
大丈夫なの?』
[ええ、どこでもいいわよ]
『おそ松、刃の部分が怖いのなら取っ手でも大丈夫だって』
お「…」
おそ松が口を開けて舌を出してヨダレを垂らす
しかし、そのヨダレは刀ではなく私の手にかかった
『っ、ひ』
お「っ!おお、刀さん!!」
[なんですか(気にしないでおこう)]
お「おおおお喋れた!!!」
パッと私の手を離す
『おそ松、なんで私の手に…』
お「…(なんでだろうな)」
おそ松のヨダレでベットベトになった右手を
左手に持ちかえる
グイッ
『へ』
今度はなんなの?!
そこにはさっきのおそ松と同様に私の手にヨダレを
垂らすカラ松がいた
タラーー
『っ、わ』
トロトロする感じが手の甲をつたう
そして刀の取手に付着した
カ「刀さん」
[初めまして]
カ「すごいな…」
え?なんでそんなに平然としてられるの?
刀をそっと机に置いて2人に向き直る
『いやいや何普通に刀さんと話してんだよ、』
おカ「え?」
『え?じゃないの!二人ともなに人の手にヨダレ
かけんの?!!刀にって言ったじゃん!!
ベットベトなんだけど!』
ヨダレが滴る手を前に出す
『あっ垂れそ___』
ペロッ
『っ、は?』
手に違和感を覚える
手を見ると右手におそ松、左手にカラ松が私の
手を舐めている
『えあ、ちょっとほんとやめてっ、よ』
手を引こうとしてもガッチリ掴まれていて引けない
『っくそ、(引いてダメなら押してみろ!)』
押してゲロ吐かせてやるわ!
私はそのまま手を押し込んだ
おカ「!?ングッ」
そしてそのまま素早く手を引き抜く
さらにベットベトになった手を服に
付けないようにする
『ホントお前らいっぺん死ね!』
洗面所へダッシュ
石鹸何プッシュもして手をゴッシゴシ洗う
綺麗に流してぱっと顔を上げると、
その先には顔をまっかっかにした自分がいた
思わず手を顔にあてる
さっき洗ったばかりだからひんやりとしていて
今の顔には気持ちいい
『あ~恥ずかしい…』
お「なぁ~に照れてんの」
『うわ!!あっもうムリこっち寄らないで』
お「え~~ヤダ❤︎❤︎」
そう言っておそ松はいつの間にか自分の
目の前に来ていた
『え?』
反射的に後ろに下がる
はやい
見てなかったんではない、見えなかったのか
これが、松野おそ松__
いやいやそんなことよりこの状況の方が
おかしいでしょ!!
アレ、なにしてたんだっけ?
『ほらっ、口ゆすいで!てっ、手当、するって…』
もう頭グチャグチャになって洗面所を飛び出す
カ「うわっ」
『あああごめん、カラ松も口ゆすいできて!』
グッ
『おわっ』
後ろに引っ張られ体をカラ松に預ける
ギュッと抱きしめられる感覚が私を落ち着かせる
カ「悪かった…だから落ち着いてくれ」
『…うん、ありがと落ち着いたよ』
カ「ほら、手当してくれ」
カラ松は怪我した所を指さす
『うぅ…ごめん』
カ「なに、あなたが謝ることではないだろう」
『でもさ…』
お「なぁ~にカラ松だけ手当して
もらっちゃってんの~」
『うわ出たセクハラオヤジ』
カ「兄貴…」(引き
お「ちげーって!お兄ちゃんを手当してくれよ」
『待ってて、先にカラ松』
お「ちぇ~~」
おそ松は刀さんの所に行き何やら話し始めた
『あはは、子供みたいだねおそ松は』
カ「ああ兄貴はそういう奴だ。
でも仕事のこととなると頼れるボスだ」
『へ~~』
確かに
だって初めて会った時の印象と今の印象
全然違うもんなぁ
『みんな、ここの人達はホントにいい人達だよ』
カ「そうだぞなんせ俺のMy Brother達だからな!✧︎」
『カラ松も仲間思いやさしいよ、』
カ「!////(アアア~あなたはなぜそんなに
可愛いんだ?!)」
『あは、照れてる。じゃあ消毒してくね』
💉
『はい、終わり!ごめんね痛くて』
カ「…あぁ…ありがとう(めっちゃしみたぜ…)」
カラ松は余程痛かったのかフラフラと
刀さんの所へ行った
お「やっとかよ~おっせー」
『え~そんなこと言うんならおそ松だけ
消毒しない』
お「やだやだやだやだァ~」
『子供か』
おそ松はンと顔を差し出す
『はいはい』
💉
お「ッいでええええ、!おまっ、ホントに
医療知識あんのか?!」
『失礼な!多少あるって!』
カ「フッ…cuteでdangerousなgirlだぜ…」
お「アーイタイイタイ肋折れる~」
カ「…ハァッ!また俺は…」
[…ちょっと私を忘れてもらっては困ります]
おカ『「(忘れてた…!)」』
『ごめんなさい、あそう言えば』
おカ「?」
『私に頼みたいことって何?』
[あぁ。貴方達がどうも素敵な方々だから私も
すっかり忘れていたわ。
そうねお願いしたい事なんだけれど___]
[私であなたのどこでもいいわ、
血を取り込めさせて欲しいの]
カ「_ッ!!あなた!やらなくていいぞ!」
お「ちょっとそれはホントに言ってんの?」
[ええ。本当よ。大量にじゃないわ、
本当に微量でいいの。一滴でもいいのよ]
『…』
お「代わりに俺がやる」
[ダメよ。あなたは私を使わないでしょう?
私に血を与えた人以外が私に触れると
大変なことになるわ]
カ「大変なことって?」
[言えないくらいに残酷になるわ。昔に1度だけあったわね。あれはもう私も思い出したくない__]
『いいよ、私やる』
おカ「!!」
『少しでいいんでしょ?
ささくれ剥いた血はダメなの?』
[ごめんなさい、流石に少なすぎるわ]
『じゃあもういくよ』
刀さんを取って先端にちょっと消毒する
『用心用心』
刀さんを私の指先に持っていく
『じゃあありがとうね、色々。刀さん』
[ありがとう、私もいい思い出になったわ。
これで安心だわ、私をよく使ってね。あなたさん]
『うん!バイバイ』
刀を指先に少し押し込む
プツッと指先から赤い血が出た
「それでは__良い人生を__」
そう言い残して刀さんはただの刀へと戻った
お「大丈夫か?絆創膏はるか?」
カ「すまない、あなた。俺があんな刀を
持ってきたから…」
おそ松が絆創膏を貼ってくれてる
『大丈夫だよカラ松。お陰でいい刀が手に入ったし。気にすんなって!!ね??』
カ「そうか…ありがとう」
お「よっし出来たぞ!」
指を見てみると不器用に貼られた絆創膏
『…ふっ』
カ「(相変わらず不器用だなぁ)」
お「なっ、文句か?!文句は受け付けないぞ!」
『うんん、二人ともありがとうね!』(ニパッ
おカ「ッ////(ンンン可愛いいい)」
ふと気になって刀を見てみる
『この刀って___』
チ「なっ、なんでそれココにあるの?!」
『えッ?』
チョロ松が驚いた顔をして刀を凝視する
ト「んも~~チョロ松兄さん早く入って…ってウソ?!なんでそれがココに…」
『トド松まで?!』
お「おいおいその刀がなんだって?」
カ「なにかあるのか?」
チ「それっ!その刀!最近ウラで話題に
なってきてる妖刀村正だよ!」
えッこれ妖刀村正なの?
手に持ってる刀を見る
持ち手は至って普通の刀と変わりはないが
少ししっかりしている程度
ただ、刀の長さが違う
例えると15センチ定規が18センチ定規に
なった感じかな(無いけど)
私のいつも持っている刀と比較してみよっと
立て掛けていた刀を取り出し鞘から抜き出す
私が元々持っている刀は名刀と言われる正宗
周りからめちゃくちゃなんでお前が正宗なんて名刀持ってるんだって散々言われたなぁ
仕方ないじゃん、
お前しか使えないって言われたんだしさ
結構正宗気に入ってるし
でも正宗は人を傷つけることが出来ない
ま、でもいつも常備してるんだけどね
おそ松たちと出会った時はまじで非常時だったから
正宗も使ったけど切れ味はいつもより悪かったし…
いやしないのか?
だから誰かを守るときにしか正宗は使わない
(そういう時は人を傷つけれるんだよね)
優しい刀だからね
いつも殺しの仕事の時は宗三左文字を使ってる
私が…クレッセントファミリー…
この世界に入ったときに貰って相棒のような
刀だったからなぁ
コイツにはだいぶ助けられたね
宗三左文字と村正を並べてみる
『…なるほど数センチ長くなったんだね』
チ「その刀を使うの?あなた?」
『うん。刀さんとも約束したし私が使う』
するとチョロ松はちょっと黙って口を開いた
チ「その刀を使うにあたって絶対な約束があるんだ。」
ト「もしその約束を破ったら僕らにも
なにが起きるか分からない」
チ「あなた、今から約束を教えるからよーく聞いてね」
ト「その約束は_______」
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編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。