第36話

思い
6,333
2021/01/05 13:17


いざ、体育館掃除ッ!!!
梨花
梨花
あなた補習頑張るんやで〜!!
わたし
わたし
気張ってくで!!
銀島結
銀島結
あなた一緒体育館行こや〜
わたし
わたし
おん!ちょ、更衣室で着替えるから待っとって!
銀島結
銀島結
おん!
梨花
梨花
銀島そろそろお前も頑張った方がいいんちゃう?
わたし
わたし
なにを?
銀島結
銀島結
おまっ!言うなや!



何この2人、なんか可愛ええわ


わたし
わたし
んま、着替えてくる〜!




教室を思いっきり出た瞬間



ドンッ
わたし
わたし
うぐッ…


鼻思いっきり打ってもうたッ…
宮治
宮治
ほんまドジやな
わたし
わたし
ッーー…ほんま痛いんやからなッ!
ぼけ!



私の鼻強打は治くんの胸板のせいやった
わたし
わたし
鼻血出てへんよな…?



顔を上げて治くんに言う
宮治
宮治
お、おん…
銀島結
銀島結
あなた大丈夫やったか?

銀島は心配して私の所へ来てくれたみたい

わたし
わたし
なんとか生きとるわ…!んな着替えてくる!


廊下を走って更衣室へ
銀島結
銀島結
あなた!んな走ったら危ないやろ!



銀島ってオカンなん?



____________


宮治
宮治
銀島、あなたなんで着替えるん?
銀島結
銀島結
あ〜、休んどった分体育の単位足りんみたいやねん。やから体育館掃除やて
宮治
宮治
へー、そうなん。


___________




着替え終わって、更衣室を出たら




わたし
わたし
なんで?銀島は?
宮治
宮治
なんやねん。俺じゃ不満なんか



不満もなんも、銀島待ってる言うとったしな


宮治
宮治
銀島北さん呼ばれてん。
わたし
わたし
あ、そうなんや〜。んでも治くんが
待つ意味ないやろ?
宮治
宮治
うっ…うっさいねん!!
わたし
わたし
いや、めっちゃ理不尽やな!
宮治
宮治
はよ行くで。補習なんやろ




そう言って歩き出したんやけど



なんなん。此奴


情緒不安定かい



体育館へ着くと治くんは『部室行くわ』ゆーて

わかれた

わたし
わたし
んじゃ、頑張るか。


倉庫から雑巾とバケツを持って



さて、どこから掃除したろ。

『突っ立ってなにしてるん』


バッと後ろを振り向くと
わたし
わたし
き、北さん…びっくりしたやん…
北信介
北信介
また補習なん?
わたし
わたし
うん。補習やねんけど、まずどこからしたろかな〜って
北信介
北信介
ふっ、そこから悩むんやな〜


北さんって笑うと子供みたいで可愛ええ

わたし
わたし
運命を変える行動は真剣に考えんと
北信介
北信介
巫女さんが言うとなんや緊張するわ〜


って北さんはハハッと笑った
わたし
わたし
北さんの表情ってコロコロ変わるからうち好きや
北信介
北信介
なっ、なんや…皆からは全然変わらん言われるんやけどな…
わたし
わたし
え?そう?素直な表情やな〜って思うけどなー!


笑いかけて言うと
北信介
北信介
あなたって天然タラシなん?
わたし
わたし
天然たわし?
北信介
北信介
いや、タラシやタラシ
わたし
わたし
タラシ?
北信介
北信介
・・・。まぁ、ええわ…



呆れられたくない?
北信介
北信介
俺はボール磨きせなあかんから、体育倉庫は後にしてほしいねん
わたし
わたし
前と同じで講堂からするか…
北信介
北信介
ほな、頑張りや!
わたし
わたし
うん!




北さんと別々の所に分かれて講堂へ向かう




『シャースっ!』

って声が次々と



部活って仲間って感じしてええよな。


銀島結
銀島結
あなたー!!!!!
わたし
わたし
あ、銀島!お疲れさん!
銀島結
銀島結
すまんな!北さんにおつかい頼まれてん!
わたし
わたし
別に謝る事ちゃうやろー!
気にせんでええよ!
銀島結
銀島結
あ、それと
わたし
わたし
なに?


銀島は少し落ち着きがない
銀島結
銀島結
治になんも言われとらん?大丈夫やった?



銀島ってほんま優しい
わたし
わたし
大丈夫やで!なんも言われとらん!
銀島結
銀島結
そ、そっか!んなら良かったわ!


やっぱ銀島オカン説


わたし
わたし
バレー頑張ってや!


右手を上に上げて銀島に差し出す
銀島結
銀島結
おう!!



パアンッ



ハイタッチを交わし銀島はコートの方へ



よしっ、頑張るか!!






そう思った時だった

角名倫太郎
角名倫太郎
ねぇ
わたし
わたし
あっ……



角名くん……
角名倫太郎
角名倫太郎
そうやって愛想振り撒いてニナの大事な物奪って行くのやめてくれない?


棘を感じる発言


わたし
わたし
ニナちゃんの事全部知っててそういう事言うんだよね?


そう言うとあからさまに表情が曇る

角名倫太郎
角名倫太郎
じゃー、君は知ってるの?



知らないんだね。角名くんも。

わたし
わたし
みんなもそう。本当のニナちゃんを知らないだけ。
角名倫太郎
角名倫太郎
なn


『角名!!!!そろそろ始めるぞ〜!』

わたし
わたし
ほら。呼んでるよ
角名倫太郎
角名倫太郎
……


角名くんは何も言わず背を向けた。






ニナちゃんへの思いが私の中で少しずつだが
変化していった。




一言で言えば"可哀想な子"なのかもしれない。

悲劇のヒロインみたいな。


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