私は帰る準備をし終わり、神主さんにお礼を告げる
神主『こちらこそ。君みたいな子と出逢えるんは一生かかっても無かったやろう。君が良ければなんだが…』
_______『巫女として働いてみないかい?』
神主『親御さん…居らんって聞いて心配になってもうてなぁ…』
ほんまに優しい人なんやな。
神主『1人で居るの寂しい時でもええ。ここを我が家だと思ってくれても構わん。まあ、私はおじいちゃんやけどなぁ〜』
ハハハッと笑いながら私に言う。
神主『はい!お手伝いお待ちしておりますよ』
神主さんは笑顔でそう言ってくれた
治くんは深々と頭を下げとった
神主『ハハッあなたちゃん君は幸せ者やなぁ!あなたちゃん、この2人大事にするんやで?』
なんて言われるから照れてまう。
ほんまに涼蘭こいつの事好きになったん…?
冗談キツいで…
神主さんに両手で一生懸命手を振り
神社を出た
北さんと帰るんは分かるけど
治くんの顔を見上げると
大きい手が顔に覆う
こんな隠し方ないやろっっ
手を払い除けて治くんの顔を見ると
シーンっと沈黙が続いた
口を開いたんは治くんやった
自分自身にかけた呪い
どうなんやろ…
呪いを自分で掛けたんやったら、一生背負ってくのも
ありやんか。
歴史抱えとるみたいで
そう言うと2人は目をまん丸にしてこちらを見る
重い空気からまた明るい空気へ
あっとゆう間に家に着いた
ほんまに昔とはちゃうんやな。
私は自然と笑みが零れた
そう言って、家の中へ
______________________________治side
なんちゅー破壊力…
北さんはいつも通りやったけど背中向いた瞬間見えた耳は少し赤くなってたんに気付いた。
相手が北さんやったとしても、あなたは渡さへん。
俺はこの人生で2度あなたに惚れた。
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編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!