第32話

新しい歴史
6,680
2021/01/01 11:04


私は帰る準備をし終わり、神主さんにお礼を告げる



わたし
わたし
2週間も眠ったままやったのに、介抱して下さりありがとうございました。


神主『こちらこそ。君みたいな子と出逢えるんは一生かかっても無かったやろう。君が良ければなんだが…』

















_______『巫女として働いてみないかい?』



わたし
わたし
えっ?

神主『親御さん…居らんって聞いて心配になってもうてなぁ…』




ほんまに優しい人なんやな。


神主『1人で居るの寂しい時でもええ。ここを我が家だと思ってくれても構わん。まあ、私はおじいちゃんやけどなぁ〜』


ハハハッと笑いながら私に言う。


わたし
わたし
まだ高校生やから働くんは難しいですけど、是非お手伝いさせてくださいっ!


神主『はい!お手伝いお待ちしておりますよ』



神主さんは笑顔でそう言ってくれた


宮治
宮治
ほんまにあなたをありがとうござました。




治くんは深々と頭を下げとった



北信介
北信介
今度お礼持っていきます。


神主『ハハッあなたちゃん君は幸せ者やなぁ!あなたちゃん、この2人大事にするんやで?』



なんて言われるから照れてまう。

わたし
わたし
そっ…そうですねっ。幸せです
宮治
宮治
なッ?!照れてるんッ?!
わたし
わたし
うっさ。



ほんまに涼蘭こいつの事好きになったん…?




冗談キツいで…
北信介
北信介
ほら、あなた帰るで
宮治
宮治
北さん!俺は?!
わたし
わたし
帰りましょうか!




神主さんに両手で一生懸命手を振り




神社を出た





北さんと帰るんは分かるけど
わたし
わたし
なんで治くんまでおるん?
宮治
宮治
ええやん…。
北信介
北信介
あなた、治毎日神社通って話しかけてたんやで
わたし
わたし
えっ?



治くんの顔を見上げると




大きい手が顔に覆う
わたし
わたし
ちょっっ
宮治
宮治
見んといて!




こんな隠し方ないやろっっ
わたし
わたし
もっとマシな隠し方ないんかいっ!



手を払い除けて治くんの顔を見ると
わたし
わたし
真っ赤やな
宮治
宮治
うっさいわっ…




シーンっと沈黙が続いた



宮治
宮治
なぁ



口を開いたんは治くんやった
わたし
わたし
なに
宮治
宮治
背中の傷はどうなったん…?



自分自身にかけた呪い




わたし
わたし
多分、薄くはなったんやないかな…
北信介
北信介
完全に消えるもんやないん?




どうなんやろ…
わたし
わたし
いつかは消えると思うねん…
北信介
北信介
そーゆうもんなんか。
わたし
わたし
うん、多分やけど






呪いを自分で掛けたんやったら、一生背負ってくのも

ありやんか。





歴史抱えとるみたいで
わたし
わたし
少しかっこええやん?


そう言うと2人は目をまん丸にしてこちらを見る

北信介
北信介
おん、そうやな
宮治
宮治
あなたって前世男やったん…?
わたし
わたし
はっ倒すぞ




重い空気からまた明るい空気へ






あっとゆう間に家に着いた
わたし
わたし
治くん、北さん送ってくれてありがとう
2週間も神社通わせてほんまごめんね?
宮治
宮治
ええんやで。好きでやったんや
北信介
北信介
そうやで?謝る事なんてあらへん





ほんまに昔とはちゃうんやな。



わたし
わたし
この時代に来られてほんまよかった。
おおきにっ




私は自然と笑みが零れた




わたし
わたし
ほな、また明日!


そう言って、家の中へ






______________________________治side





なんちゅー破壊力…






北信介
北信介
治も気を付けて帰るんやで



北さんはいつも通りやったけど背中向いた瞬間見えた耳は少し赤くなってたんに気付いた。




宮治
宮治
あれ、惚れてもうてるやろ……




相手が北さんやったとしても、あなたは渡さへん。





俺はこの人生で2度あなたに惚れた。

宮治
宮治
俺って案外ちょろいやん……





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