第23話

MANIAC 前のお話
6,903
2022/04/27 11:24
私は今日は練習生としてではなく、マネージャーに扮して撮影に同行させてもらっていた。

カムバックの前撮りで、番組での撮影を終えた後、いつもよりみんな疲れているようだった。

いつもわちゃわちゃしているメンバーなのに、
帰りの車に乗り込む時、とても静かだった。



ベタで撮影に着いていたわけではなく、楽屋で雑務を行っていたのもあり、撮影には付きっきりでは無かった。


もしかして、撮影中に何かあったのかな…


うまくいかなくて、ちょっと喧嘩モードとか??


こういう時が私の出番だよね!!
場の空気を変えるにはメンバーじゃない外部の人間が1番だと思う!



あなた
あなた
あの!みなさんお疲れ様でしたー!!
今日夕飯何が食べたいですかー?
やっぱりお肉で精をつけますか!!
いつもよりも意識して明るい声を出す。

食べ物の話はみんなを和やかにするはずだ。
バンチャン
バンチャン
いつもご飯ありがとう。
今日は…俺の分はいいよ。
あなた
あなた
ええっ!いらないんですか?
バンチャン
バンチャン
ごめんね…
何か食欲が無くて…
これは…



まずい…



食欲が無いだなんて、ちょっと喧嘩モードどころの騒ぎじゃないかもしれない。



いや!!でもチャンビンなら食べ物に食いつくはず!!
あなた
あなた
チャンビンさんは… えっ!!
隣に座るチャンビンに声をかけたら、
私の肩にもたれかかってきた。

今乗っているクルマの1番後ろの席に3人がけで座っている。


ちなみにチャンビンが右側に、スンミンが左側に座っている。


両手に花だと思います?
違うんですよ。私の座っている席は、足を置く所が出っぱっているので、座りずらいのです。

わざと、座り心地の悪い所に、居候させていただいている私が座っているわけです。
チャンビン
チャンビン
ごめ…ちょっと肩かして…
肩にもたれ、上目遣いでそう言ってきたチャンビンはそのまま目を閉じて、眠りの体勢に入った。


ヤバイ…もしかしてバンチャンとチャンビンが喧嘩したのだろうか…


ご飯の話でチャンビンが盛り上がらないだなんて。
どうしよう…これはもう私がなんとかしようと出しゃばらず、そっと見守っていた方がいいのでは…

スンミン
スンミン
………
スンミンも私の肩にもたれ目を閉じた!


嘘でしょ!?
スンミンはものすごく紳士で私に触れるなんて事しないのに。



一体どうしちゃったのだろう…






帰りの車は静まりかえっている。

聞こえるのは車のエンジンの音だけ…
あなた
あなた
みなさん、今日はお疲れなんですねぇー…
じゃ、夕飯は軽いものにでもしますねー…
返事が無い。



何でも話を返してくれるフィリックスですら反応が無い…。





みんな大丈夫だろうか…


これからカムバックが始まって忙しくなるというのに、こんなに仲が悪くなってしまって…。


少しでも早く仲直りできるように、今日のご飯は軽めでも美味しい物を作ってあげたい。


みんなが笑顔になるように。





夕飯のメニューを何にしようかと考えていると、
なんだか車の中が蒸し暑くなってきた。


まだ3月で肌寒いはずなのに。


暑いなぁ…


チャンビンとスンミンにもたれられているからかな。







ちらっと肩で寝ているチャンビンの顔を見ると薄らおでこに汗をかいていた。


隣のスンミンは少し震えていた。
あなた
あなた
え…?
チャンビンもスンミンの身体もすごく熱かった。
チャンビン
チャンビン
ハァハァ…
息も荒い。



夢でうなされているというわけじゃない!!
あなた
あなた
失礼します!
おでこを触ると



すごく熱かった。



スンミンのおでこも触る。



やはり熱い!!!
アイエン
アイエン
と…とめて…
アイエンが、か細い声で運転してくれているマネージャーさんに声をかけた。


キーーーーっと車が近くのコンビニの駐車場に止まった。



バタンとドアを開け、車から降りるアイエン。
アイエン
アイエン
ケホッケホッ…
車の外でアイエンが具合の悪そうにしている。


韓国の車の運転は確かに荒い。


みんな歩くのも早いくらい、セカセカしている。



韓国に来たばかりの時は、私も車に酔っていたけれど、
韓国人のメンバー達は、慣れた様子で酔った所なんて見た事がなかった。


それなのにアイエンが車に酔っている。



まさか…
あなた
あなた
キムさん!!もしかして、メンバーのみなさん病気に感染しているかもしれないです!!
えっ!?運転していたマネージャーのキムさんが振り向く。


前方から振り返るとメンバー全員の顔が見渡せるので、様子の変化に気がついたようだった。


全員がチャンビンやスンミンのように
熱をおびている。


急いで会社に電話するよう言われ、
キムさんは近くの病院を検索した。














全員陽性。


病院での抗体検査ですぐに陽性と判断された。



これからカムバックが始まるのに…。



何よりも辛いのはメンバー達だ。



10日間の隔離生活が余儀なくされる。




そして私は、会社の中で唯一メンバーの側にいられる。


マネージャー達が濃厚接触者になってしまわないよう、メンバーの看病は私がする事になった。



みんな食欲が無いというので、今日はお粥を作る事にした。


各メンバーの部屋に準備する。


あなた
あなた
チャンビンさん大丈夫ですか?
チャンビン
チャンビン
熱一瞬だったかも!車に乗ってた時がピークだったな。
汗かいたからもう平熱に下がったよ!
あなた
あなた
良かった!大した事無いみたいですね!
チャンビン
チャンビン
さすがに高熱が出たから、食欲無くなっちゃったけど、今日一日寝たら治るんじゃね?
あなた
あなた
そんなに喋れたら大丈夫そうですね!
良かった〜車の中はぐったりしていたから。
チャンビン
チャンビン
悪りぃ。肩かりちゃったな。俺は大丈夫だから他見てあげて。
お粥ありがと!
次はリノの部屋に向かった。

リノはベッドで横になっている。
あなた
あなた
体調はどうですか?

目を薄ら開け、ぼーっと私を見ている。
リノ
リノ
ん…  眼鏡もコンタクトもしてないから…
よく見えないな…

近寄ってくれない…?
いつもの力強さは無く、儚げな様子なのが心配で、リノのベッドのすぐ横に立ち覗き込む。
リノ
リノ
もうちょっと近くに来てよ…
お前の顔が見えないんだって…
そう言って手を伸ばすリノ。



もう少しだけ屈んでみると、リノの腕が私に絡みつく。


そのまま引き寄せられ、リノの胸に伏せる形でギュッと抱きしめられた。

でも、いつもより力が無いように感じる。



体温は熱く、熱が高いのが肌から伝わる。



抱きしめられながら問いかけた。
あなた
あなた
大分熱が出てるみたいですけどしんどくないですか?
リノ
リノ
…お前がいれば大丈夫。
そう言うけれど、いつもよりも強引さが無い。
あなた
あなた
お粥作りましたけど…まだ食べれそうにないですよね?
リノ
リノ
…うん。もうちょっと回復してから…
あなた
あなた
何か必要なものありますか?
リノ
リノ
あなた。
このまま、添い寝して。
あなた
あなた
////…えっと…
リノ
リノ
…冗談だよ。
これ以上側にいさせたら本当にうつしちゃうから…
もう行って
あなた
あなた
は、はい。 何かあったらすぐ呼んで下さいね。
リノの熱が少しでも下がるように、冷えピタをおでこに貼ってあげて、部屋を出た。




次はスンミンの所へ行った。
あなた
あなた
…スンミンさん
スンミン
スンミン
ハァ…ハァ…
あなた
あなた
だっ大丈夫ですか!!
スンミン
スンミン
…ハァ…ハァ
言葉を話すのも辛そうだ!
あなた
あなた
それ以上話さなくて大丈夫です!
ちょっと熱計りますね!!
寝かせたまま体温を計る。

平熱ならすぐに ピピッと鳴るのに
なかなか計り終わらない…






ピピピッ ピピピッ





ようやく計り終わり、体温計を見ると
39度だった。
あなた
あなた
高熱!!!!
解熱剤飲みましょう
スンミン
スンミン
ん…
意識が朦朧としているようだった。
あなた
あなた
起き上がれますか?
スンミン
スンミン
ハァ…ハァ…
荒い呼吸で、ぐったりしている。



どうしよう…薬飲ませないと。



起き上がれそうにないスンミンに、寝たまま薬を飲ませる事にした。


頭を少し支えて、お水の入ったコップを口にもっていく。





ポタポタ…



上手く飲み込んでくれない。




解熱剤飲ませないと、熱が高すぎる!











私が思いついた方法は…
しちゃいけないことだった。
あなた
あなた
あのっ!ごめんなさいっ
絶対にしちゃいけない事なんだけど!


そんな事言ってる場合じゃない!




スンミンの口に解熱剤を入れ、


自分の口に水を含み、唇を重ねてそっと流し込む。
スンミン
スンミン
ゴクッ…
あなた
あなた
良かった…なんとか飲んでもらえた…
スンミンから言葉は何も無く…荒い呼吸だけが聞こえた。




大丈夫。きっと記憶になんてないはず。

人命救助だ!こうするしかなかったんだ!

これ以上熱があがって、後遺症が残る方が危険だ!


そう自分に言い聞かせ、スンミンの部屋を後にした…







ヒョンジン
ヒョンジン
どうしたの?顔赤いよ。
廊下ですれ違ったヒョンジンに声をかけられる。
あなた
あなた
えっ!?赤いですか??
スンミンにした事ですっかり気分が動揺してしまっていた。
ヒョンジン
ヒョンジン
まさか僕たちのがうつった!?
ヒョンジンが私のおでこに手を当てて計る。
ヒョンジン
ヒョンジン
うんー大丈夫そう。
あなた
あなた
…きっ…きっとバタバタ動き回っていたからですっ!
ヒョンジン
ヒョンジン
ふーん?
ヒョンジンは人の心に気がつくのが鋭い。


目を見ていると、私の心の中が筒抜けなんじゃないかと思ってしまい焦る。
あなた
あなた
ヒョンジンさんは動いてて大丈夫なんですか?
ヒョンジン
ヒョンジン
俺は大した事無さそう。
食欲無いのと、身体がすごいダルいだけかな。
あなた
あなた
大した事無いなら良いですけど…
横になって休んで下さいね。
ヒョンジン
ヒョンジン
お水欲しかっただけだからすぐ戻るよ。
あなた
あなた
言ってくれたら持って行きます!
ヒョンジン
ヒョンジン
あなたさん1人で8人も看病するのは大変だよ。
動ける人は自分でやらなきゃ。
あなた
あなた
でも本当にやりますんで呼んでくださいね
ヒョンジン
ヒョンジン
ありがと。あ、お粥も!後で食べるね!
ヒョンジンは自分の部屋に戻って行った。





次は車で具合の悪そうだったアイエンの部屋に行く事にした。






アイエンの部屋に入るとパソコンでドラマを見てくつろいでいた。
アイエン
アイエン
あ!あなたさん!
あなた
あなた
お身体の具合は大丈夫ですか?
アイエン
アイエン
うん!結構平気♪
戻したからかな。なんかスッキリしちゃった。
あなた
あなた
良かったです〜
ニコニコ笑うアイエンを見てホッとした。



車を途中で降りたのだもの…



相当具合が悪いと思ったのだ。
あなた
あなた
お粥食べます?
アイエン
アイエン
食べる食べる!!
ありがとうございます!
本当に体調はすっかり良くなったようで、
食欲もしっかりありそうだった。
アイエン
アイエン
僕は大丈夫なんだけどね、ヨンボギさんがちょっとしんどそうなんだ。
同じ部屋で寝ているフィリックスの様子を見に行くと、汗ビッショリのフィリクスが息を荒げていた。
フィリックス
フィリックス
ハァ…ハァ…
あなた
あなた
フィリックスさん!大丈夫ですか!?
スンミンの時とは違い、辛そうではあるが意識がある。

ニコッと苦しながらも笑顔を見せてくれた。
あなた
あなた
汗すごいですね… 水分とりましょう。
フィリックスを支えてゆっくり身体を起こす。

身体が大分熱い。

水よりもスポーツドリンクの方が良さそうだったので、ペットボトルを渡す。
あなた
あなた
飲めますか?
フィリックス
フィリックス
(コクッ)
言葉はないけれど、笑顔を浮かべて頷くフィリックス。

いつもの力も無いようで、蓋は私が開け、座るフィリックスを後ろから支える。

着ていたパジャマが大分汗で湿っていた。

勢いよくペットボトルを半分飲み干して、私に戻す。
フィリックス
フィリックス
…ありがとう
力無く微笑む。

またそのまま横たわろうとするので、
もう一度寝る前に着替えを提案した。

コクッと頷き、フィリックスがパジャマを脱いでいる間に、着替えを取りに行く。

確か色違いのパジャマがあったはずだ。
あなた
あなた
タンスのどの辺りですか?
フィリックス
フィリックス
…1番した…
1番下の引き出しを開けると、今着ている水色の猫柄パジャマと同じ柄でピンクのものがきちんと畳んで入れてあった。

このパジャマ…以前私が借りた物だ。
あなた
あなた
どうぞ〜…あれ?
手渡そうとしたが、まだパジャマが脱げていない。

熱で思うように動けず、パジャマのボタンが外せないようだった。
フィリックス
フィリックス
着替え…させて…
あなた
あなた
///…は…はいっ
熱で動けないんだから、私がするしかないっ
あなた
あなた
し…失礼します…
パジャマの上のボタンを外していく。

チラっと上を向くと、熱で頬の色が染まったフィリックスと目が合う。
フィリックス
フィリックス
////
照れているのか、熱のせいなのかわからないが
なんとも言えない、艶っぽい表情をしていて
慌てて目を逸らした。


男性だけれども前から素肌を見るわけにはいかず、ボタンを全部外したら後ろに回った。


背中ごしにパジャマを脱がし、綺麗な背中が露わになる。
あなた
あなた
あ、あの…お背中拭きますね…///
思わず赤面してしまいそうになったが
これは看病なんだ!ナースの皆さんなら普通にしている事だ!!と自分に言い聞かせ
パパパッと手際よく背中を拭いていく。
フィリックス
フィリックス
気持ちいい…
フィリックスの漏れた声に、鼓動が跳ねた。

前も汗をかいているので、拭いてあげたいが
どうしても見れず、背中側から抱きつくように前に手を回してささっと拭いた。


ピンクのパジャマを羽織らせ、腕を通す。

もうこれで一先ずは肌の露出は減ったので
前側に周りボタンを手際よくとめた。
あなた
あなた
よしっ!サッパリしましたね!
まだ終わっていないかのような表情で、でも言いづらそうにこちらを見上げた。
フィリックス
フィリックス
…下も…とりかえたい…
あなた
あなた
え!?あ!!!そそそうですよね!!!
下?下?下!?!?!?

ズボン脱がして…

え???し…下着も!?!?


え!?それダメじゃない!?!?

見えちゃいますよねぇ!!!!
あなた
あなた
はわはわわ
焦ってとりあえずズボンだけでも脱がそうと足元にしゃがんでみる。
あなた
あなた
下は私には無理ですぅーー
と、パニック状態になった私に声がかかる。
アイエン
アイエン
あなたさん!下は僕がやるんで代わりますよ!!
あなた
あなた
お願いしますぅっっ
アイエン
アイエン
もう!ヨンボギさん!!女性になんて事頼んでるの!?
フィリックス
フィリックス
…ほえ?
熱でまともな判断ができないようだった。
アイエン
アイエン
ここは僕がやるから、あなたさんはチャニヒョン達の所行ってあげて
恥ずかしすぎて、そそくさと部屋から出て行った。




もう!!ドキドキしている場合じゃない!!

私はメンバーの皆さんの体調を管理しているんだ!!

具合が悪いならお世話をするから当然だ!!

気持ちを切り替えるんだー!!


勢いよくバンチャンとハンの居る部屋を開けた。


ばーーーーんっ
あなた
あなた
お二人ともーーお加減はいかかがですかー!!
病人相手と言うのに、大声で声かけてしまった。




しーーーーーーん




部屋は静まりかえっている。




どうやら2人は深く眠っているようだった。




いや…スンミンみたいに意識が朦朧としているのかもしれない。

ちゃんと近くに行って様子を見よう。


バンチャンの眠っているベッドに近づく。
あなた
あなた
バンチャンさん…大丈夫ですか?
バンチャン
バンチャン
………
返事が無い。



おでこに手を当てて体温を確認する。



そんなに熱くない。



また意識が無い状態だったらと心配したので
ほっとした。



でも体温は把握しておかなければ。
あなた
あなた
ちょっとお熱計りますね…
そっと布団を捲ると…



バンチャンは素肌のまま寝ているようだった。
あなた
あなた
あわわわわわ
Tシャツを着ないで寝る事はよくあるみたいなので、バンチャンの上半身には免疫はあるものの
こんな間近で見るのにはやはり抵抗がある。


肌が見えないように、腕だけ出そうとしたその時、


バンチャンが壁に向かっておもいっきり寝返りをうった。
あなた
あなた
くぇrちゅいhjklー!?!?!?!?
バンチャンが掛け布団を巻き込み寝返った為

背面全部が見えるような状態に。




背中だけならいいんです。
想定の範囲内なので。


Tシャツ着てないってわかっていたので、
鍛え上げられたムキムキの背中が見えるのは予測できていました。


でも違うんです。


はい…その!!!!





すっぽんぽーーーーーん!!!!!!



なななななななんで全裸で寝ているの!?!?!?


ズボンも、パ、パ、パンツまでもなんで脱いでいるの!!!!!!



プリンとしたお尻が丸出しなんですけれどぉぉぉぉぉぉぉぉ




ちょっとこれ以上私にはどうすることもできないですね!!!!!



もう一度そっとおでこをさわり…
あなた
あなた
よし!平熱!!異常無し!!
大事な所が見えてしまっては大変だと、クルッと回れ右をしてハンが寝ているベッドへ向かった。




ハンはちゃんと服を着ている。



良かった…



布団から上半身が見えているがちゃんと服を着ている。
それだけで安堵の溜息が出てしまった。



バンチャンにしたように、まずはおでこに手を当てる。
あなた
あなた
あれ…熱いかも…
バンチャンに触れた時は熱いと感じなかったが、

ハンは熱が高いようで大分熱い。

体温計で計ってみよう。



ガバっ!!!!!!!
あなた
あなた
ぎゃぁぁぁ!!
ハンが突然上半身をゾンビのように起こした!!
あなた
あなた
びっびっびくっりしたぁ…
脅かさないで下さいよーー
ハン
ハン
………
あなた
あなた
??…お熱計りますね?
ハン
ハン
………
ハンが上半身起き上がったまま硬直している。
あなた
あなた
どうしましたか?
ガバっ!!!!!!!



覗き込んだ私を、思いっきり抱きしめるハン
あなた
あなた
わわっ///どっ…どうしたんですか…
何も言わず、力強く抱きしめてくる。



ぐすっ…ぐすっ…



鼻をすするような音…



泣いてる?
あなた
あなた
…大丈夫ですか?
子供をあやすように、ハンの背中をさする。


ゆっくりと身体が離れた
ハン
ハン
ぐすっ…生きてる…良かった…
あなた
あなた
え? 大丈夫ですよ。ちょっと熱が高いみたいですけどハンさんはちゃんと生きてますよ。
よほど身体がしんどかったのだろう。

安心させられるよう、優しく声をかけた。
ハン
ハン
違うよっ あなたちゃんが死んだ夢を見ちゃったんだよっ
あなた
あなた
ええっ!? 私はなんとも無いので大丈夫ですよー!!
ハン
ハン
うっ…うっ… 高熱出すと…悪夢見ちゃうタイプ…
あなた
あなた
ああ!!高熱でうなされるから!!
うるうるした瞳で、本当に怯えたような表情をするものだから、


ハンをそっと抱きしめた。
あなた
あなた
大丈夫…大丈夫…
ハン
ハン
ぐすっ…
私の腕の中で すんすん泣いているハンが可愛かった。

いつもあんなにカッコよく歌い上げる人なのに、

悪夢を見て、ナイーブになるだなんて。


繊細な心を持っているから、あんなに素敵な音色で心を込めて歌えるのかもしれない。





バサっ
あなた
あなた
えっ!?えっ!?
ハンが私ごと布団をかけて包まる。


私はハンの腕の中だ。
あなた
あなた
あのっ
ハン
ハン
こうしないと眠れない。
そんな可愛く言うんですか!?



バラエティ番組で愛嬌をする時のように


なんて可愛い顔をするのだろう。
あなた
あなた
ちょっとだけですよ。
可愛いさに負けてしまった。
ハン
ハン
うん!!
私を優しく抱きしめて目を瞑るハン


心から安心した表情をして…





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『MANIAC 前のお話』お読みいただきありがとうございます。

カムバック直前でメンバーが感染してしまって本当心配しました。
この小説はフィクションですので!!
実際は全員感染されておりませんので!!

皆さん元気に回復して良かったです。

今回はその時期に書き始めたのに、仕事が忙しくなっちゃって1ヶ月も書き上げるのにかかってしまいました。あーあーあー

久しぶりの更新でしたがお読みいただき本当にありがとうございます。

皆様も、体調にはお気をつけて元気にお過ごし下さいませ★

プリ小説オーディオドラマ