" 優しすぎる " じょんぐく君に、
" 媚薬 " を飲ましたらどうなるのかな。
本当に、ちょっとした出来心だった。
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🐰「うわぁ〜、最近外寒くなってきたねぇ~」
散歩から帰ってきたじょんぐく君が、
身震いをしながら部屋に入ってきた。
『もう冬だしね』
🐰「うん、あなたも風邪ひかないようにね」
『ありがと、笑』
さり気ない優しさにドキッとする。
こんな優しさは大好きなんだけどなぁ。
そんなことを思いながらキッチンへ行き、
じょんぐく君のためにココアを作ってあげる。
─── " 媚薬 " 入のココアを…。
『はい、寒いでしょ、ココア入れたよ』
テーブルの上にコトンとマグカップを置く。
変に思われないように、私の分も。
もちろん私の方に媚薬なんて入ってないけど。
🐰「ちょうど飲みたかったんだ~!」
🐰「ありがと」
何も知らない彼は、
媚薬いりのココアだとも思わず
美味しそうに口に運ぶ。
🐰「やっぱあなたの入れたココアは最高だ」
ふわりと微笑んで幸せそうに飲み続ける彼。
いつもなら、
『そっか、笑 私天才かもね、笑』
なんて冗談を飛ばすけど、
今はそんな気にはなれない。
" じょんぐく君、どうなるんだろ "
私の中には、じょんぐく君の
反応を楽しみにしている、
最低な私しかいなかったから。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。