学校に到着するなり、このはとさつきは用事があるみたいで、先に行ってしまった。
そんなことよりもあたしの頭に浮かんでいるのはかいりくんの言葉だけだ。
しゅくんからの返答はなかった。
なにかあるのかな。
いつもの事だけど、教室に行くまでも気分が下がる。
そういう訳でもないのに…。
気にしないようにしてても、やはり、心に何か刺さる感じがある。
う…。やっぱりバレるか。
顔には出てないはずが、かいりくんには筒抜けのようだ。
やめるって言われてもあの方々はやめないよ。
かいりくんはあたしをあたしの教室まで送ってくれた。
あたしが席に着くなり、しゅんくんが慌てて入ってきた。
勢いがすごいよ。
かいりくんってそんなに学校で有名なのかな。。。
なるほど。それは有名にもなる。
でも、頭が良くないと、情報を盗むためには必要なことだ。コンピューターのシステムの奥の奥まで探すのはとても頭が良くないと出来ないと聞いた。ロックの解除もとても早くないといけない。
スポーツができるのは常に瞬発力、柔軟性を鍛えているからなんだろうな。
恐るべしかいりくん
2人でかいりくんの偉大さにしみじみしていた。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。