第5話

十二悪月
1,000
2020/04/23 02:15


ここが十二悪月が出たと言う情報のビル。

しかも上弦の壱と弐らしい。

なのに私一人で中に入るって滅茶苦茶怖いんですけど!!

お館様曰く「あなたの銃の的中率は、凄いからね」と、

いやぁ、お褒めいただくのはとてつもなく嬉しいんですけどね!

まぁ、それに最近の一般の警官達は質がねぇ、落ちたな。うん、

あぁ、怖い怖い!

でももう、私はキメツ警察署に属しているんだからしっかりしなくちゃ!!

一回深呼吸 スゥゥゥゥゥ ハァァァァァ

私は軽く自分のほっぺを叩いて「よし!」と、言いビルの中に入っていった。

ビルの周辺にはパトカーが居る。

私は、静かに階段を上がっていく。

トコトコ





ここだ。

私は思いっきりドアを開けて「手を上げなさい!!」と言った。

男二人はゆっくりとこちらを向き、一瞬目を見開いた。

銃を構えながらジリジリと近づく。

男達は素直に両手を上げた。

私はその素直さに少し驚きながら、二人に手錠を掛けた。

自分の右手と冨岡義勇の左手、自分の左手と鱗滝錆兎の右手に手錠を掛ける。

私は、案外素直だなぁ~と思いながら階段を降りていく。



外に出ると大勢の警官達が銃を構えながら待っていた。

その時、




バン!


と、発砲の音がした。





私はとても驚いた。

手錠をしていたはずの鱗滝錆兎の右手には、手錠が掛かっていなかったから。

あなた(これが十二悪月……!)

鱗滝錆兎は私のおでこに軽くキスをして、

鱗滝錆兎「良い子にしてろよ、あなた」と、いった。

私はその瞬間、ふわりと浮いた。

あなた「へ?」

冨岡義勇は片手で私を持った。

あなた「え!ちょ、待てー!!っていうか私名乗ってない!!」

冨岡が、もう片方の手で私の口を抑えた。

あなた「ん!んん!!」

ジタバタと抵抗してみるが、やっぱり相手は男性だ。

ビクともしない。

私はそのまま車の後頭部座席に乗せられる。

そして唇に柔らかい感触があった。

目の前には、整った綺麗な顔があった。

私はキスされたということを理解するまで、時間がかかった。




あなた「んんんん!んん!!」

私はどんどん苦しくなってきて、口を開けた。

すると、ヌルッと口の中に舌が入ってきた。

あなた「むぐっ!ん、ふぁ、んあ!」

冨岡の舌が私の、口の中を掻き回す。

私は、抵抗しようとして手をあげると、


ドン!

と、押し倒されてしまった。

そしてまた、長いキスをされた。

やっと口が離れた。

あなた「ちょ!ちょ、ちょ、ちょ、何するんですか?!」

冨岡はコテンと、首をかしげた。

その仕草が小動物にしか見えなくて、一瞬可愛いと思ってしまった。

冨岡「お前、記憶ないのか」

あなた「はぁ?何ですか、記憶って。」

冨岡「無いなら、思い出してもらうまでだな」


ガチャリとドアが開いた。

鱗滝「フッ 何押し倒しちゃってんだよ。本当義勇は昔からあなたのこと好きだよなぁ~」

あなた「だから何で私の名前知ってるんですか」

鱗滝「あ、お前記憶ないんだな」

あなた「だから記憶って何ですか」

鱗滝「まぁ、いい。俺たちのアジトに連れてってやる」

あなた「えっ!良いんですか!?」

鱗滝「あぁ、あなたにはそこで暮らしてもらうからな。」

あなた「は?え、何で?」

冨岡「皆に紹介するためだ」

あなた「紹介して何の意味があるんですか!?」

冨岡「あなたが記憶を取り戻してくれるかもしれないから」

あなた「………………私達ってどこかで会ったことありますか?」

鱗滝「あぁ、仲間だった」

あなた「えっ!じゃあ私、悪い人だったんですか?」

鱗滝「いや、違う。その時は違かった。逆にいい人だった。警察ではないが、俺たちは悪い奴らから住民たちを守っていた。」

あなた「そうなんですか。その昔っていつですか?」

冨岡「信じるか?」

あなた「うーん、騙さないと誓いますか?」

冨岡「あぁ、その昔は





























"大正時代だ" 」


あなた「そんな昔から、知ってたんだ……。ごめんなさい、思い出せません」

鱗滝「信じれるのか?」

あなた「はい、貴方達は何故か信じれるんです。まぁ、頑張って思い出して見せます!!」

冨岡「あぁ、ゆっくり思い出して行けばいい ニコ」

鱗滝「そうだな、もうじき思い出すだろう ニコ」




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