第65話

未 知 の 世 界
4,501
2022/08/22 10:23
Rayレイ side



鳥のさえずりが 、聞こえる 。




本当は気を引き締めないといけないのに 、

それらの音は俺の心を落ち着かせ 、刹那せつな 、警戒心が

無くなってしまう 。




ナ ッ ト
ナ ッ ト
それにしても 、ここ物凄く寒いな … 。
ア ン ナ
ア ン ナ
そうね 。最初に落ちた所  ・   ・   ・   ・より寒いわ 。


俺達はアルヴァピネラの蛇から逃げ 、つい先程 、
地上に戻って来た 。





『 アルヴァピネラの蛇 』とは吸血樹の事 。



この木に俺達は閉じ込められて 、危うく餌にされる所だった 。




だけど 、ウィリアム ・ ミネルヴァから貰った特別な本の一冊 、


『 ウーゴ冒険記 』が外の世界の手引書ガイドブックである事に
エマが気付き 、何とか脱出することができた 。









俺達にとって " 外の世界 " は " 未知の世界 " だ 。



まだハウスから脱獄して 、数時間 。



俺達の無知さを 、痛いほど自覚した 。




エ マ
エ マ
『 外 』は確かに危険がいっぱい 。
でも大丈夫 。
エ マ
エ マ
私達は一人じゃない 。
家族がいる 。味方もいる 。
エ マ
エ マ
生き抜こう 、まずこの森を抜けよう 。
もうひと頑張り !先へ進もう ! !

エマの言葉で 、皆の気持ちが更に一つになる 。



そして緊張が和らぎ 、皆の笑顔が溢れる 。







俺はエマのそんな所を凄いと思ってる 。



こういう緊張した場面でも 、その場の雰囲気を
変える事が出来る 。



直ぐに 、こいつらを笑顔にする事が出来る 。















そう …… 、 笑顔に ____________






(なまえ)
あなた
レイ ~ ! !何してるのぉぉ ~ ! 


イ ザ ベ ラ
イ ザ ベ ラ
レイは本当に 、本が好きなのね 。
ノ ー マ ン
ノ ー マ ン
本の虫だね ! !
(なまえ)
あなた
ほ 、本の虫ィィィ ! ? ! ?
(なまえ)
あなた
レイ ~ !そんなに読んでたら
虫さんになっちゃうよ ~ ! ! !







(なまえ)
あなた
私は無関係です 。頑張ってね 〜 。
(なまえ)
あなた
ひぃ 、腹筋つるッ 、痛い痛いッ !




何故か 、あなたの事を思い出す 。



小さい時から 、俺を笑わせてくれていたのは
あなただった 。







まだ幼くて 、とにかく明るくて元気いっぱいだったあなたも



成長して 、普段は大人しいのにふとした時に面白い
ことを言って優しく微笑むあなたも








俺は大好きだ 。





レ イ
レ イ
……… 。
エ マ
エ マ
あ !レイ 、今 、絶対あなたの事
考えてたでしょ !
レ イ
レ イ
は ? ! べ 、別に考えてねぇし ! !


エマは顔をニヤニヤさせて 、俺の事を見ている 。



何でバレたんだ ? ?




エ マ
エ マ
バレバレだよ ! !
レイがあなたの事考えてる時 、いつも
頬緩みまくりだもん !
レ イ
レ イ
…ッ はぁ ?!///


嘘だろ 、顔に出てたのか ! ? ! ?




というか 、今 " いつも " って言ってたよな ?


レ イ
レ イ
( 俺 、きもちわりぃっ ! ! )


その顔が 、あなたに見られてたら終わりだろ … 。


エ マ
エ マ
…もう 、レイはほんっとにあなたの事
大好きだね ~
レ イ
レ イ
だから 、違ぇっt 



俺達は話を辞めて 、周りを見渡す 。



エ マ
エ マ
ねぇ 、レイ ……… 。
レ イ
レ イ
ああ …… 何か来る 。



ゴゴゴゴ





その音はどんどん大きくなっていく 。







そして 、









バキッ












ドォォォォン !






グゲァァァァア !!








木枝が折れた音と共に巨大な獣のような鬼が現れた 。




✼••┈┈┈┈┈┈••✼••┈┈┈┈┈┈••✼



追記 .


前回の『 🧡追加重要人物紹介 』ご覧下さい 🙇🏻‍♀️

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