「う、わぁ…」
僕、歌い手「はこ」こと七川虹遥は
有名な歌い手さん達が
参加するビッグイベントに
出演が決まったのだ。
今日はその撮影日。
「あ、君がはこくん?」
誰かに声を掛けられる。
「あ、はい、
ってポストさん…ですか?」
今僕に声を掛けてくれたのは
「ポスト」という歌い手さん。この
イベントの主催者で、魅力的な歌い手さんだ。
「お、知っててくれてるんや。俺が
ポストさんやで〜仲良くしよなっ」
「はい、よろしくお願いします!」
ポストさん、配信と同じように優しそうだな…。
「えっと……まずは青葉に案内してもらおかな。…青葉〜!!」
あ、青葉さんってもしかして…、
「あ〜、何、ポスト。ん、後ろの人誰?」
「この子ははこくんや!噂のはこくんやで〜。てか上から見下ろすのやめぇや。」
「ポストの背が小さいのが悪いだろ。
あ、はこくん。俺が青葉です。よろしく。」
「はいっ、よろしくお願いします!」
「…はこくんこれ終わったら飯でもどう?」
「はい、ぜひ!」
青葉さんにも会えるなんて、急に夢の中に入った気分だ。
憧れすぎてまだ会えないと思ってたのに。
「じゃ、行こっか。」
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!