第8話

僕は知らない
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2020/02/07 08:33
一通りの作業が終わった。
自分の作業もしたし、僕も少し寝た。
もちろん僕はソファで寝たけど。
暇な時間は明輝さんにかまってもらったし。
楽しい1日だったと思う。

「んぁ……虹遥おはよ…」

「あ、おはようございます、紅さん。
あ…、紅さんのスマホ鳴ってましたよ。」

「お、わかった」

ー美駒かなー
ぼそっと紅さんが呟く。
…呼び捨てで呼び合う程仲が良いのだろうか。
少し、美駒という人に羨ましさを感じる。

「虹遥、ちょっと電話していい?」

「あ、どうぞ〜。僕向こうに行ってますね。」

なんて言いつつ、ドアの向こうから聞く気
満々だけど。
昔の僕ならこんな事は絶対にしないのに。
ほんとに、変わったなぁ……

「もしもし?あ、美駒?うん、あ〜、ごめんって。うんー」

紅さんの声が聞こえる。いつもより明るい声だ。
少しドアを開けて中を覗いてみる。

「な、んで…」

そんな紅さんの心から笑ったような顔、
見た事ない。
ずるい。なんであの人にだけ。
僕じゃだめなんですか。
…今日の僕はおかしい。
考えれば考える程嫌な気持ちが募ってく。
こんな僕、僕は知らない。

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