想來side
病室に戻ったらいるはずのわかがいなくて
きんぷりのみんながいた。
お姉ちゃんは紫耀くんと付き合ってる。
もちろんわかとあなたには内緒。
ほんとは私も知らなかった。
たまたま早く帰ったら家に紫耀くんがいて話を聞い
たから知ってるだけ。
.
ちゃんとあなたに言わなきゃ。
ティアラのあなたにとってきんぷりのメンバーに
会えるのは嬉しいこと。でも、こんな形で会うなん
で嫌に決まってる。しかも、自担がお姉ちゃんの彼
氏って分かったら倒れちゃうかも…。
ほら、あ~もう。
あなた泣きそうな顔してる…。
どうしよ…。
とにかくあなたを!
お~い~。
今言う?タイミング…。
あッ…。
あなた走っていっちゃった…
振り返ることなく病室から出ていく。
もうどうすればいいの…?
お姉ちゃん、早く起きてよ…
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!