第4話

#4 f.r.i.e.n.d.s
698
2020/07/30 13:13
お姉ちゃん
お姉ちゃん
アイナー!久しぶり、妹と会いにきたよ!!
恐る恐る高校の校内に足を踏み入れ、階段を上り賑やかな文化祭のひどい人混みの中を歩き進んでいくと


お姉ちゃんの友達らしき外国人を大きな声で呼んだ。


綺麗なストレートヘアのお姉さんだけど、とても気さくで元気。だからなんとなく、高校の制服が似合っていた。


見た感じ東南アジアの出身といった顔立ちをしていた。
アイナ
アイナ
きゃーーー!!めっちゃ久しぶりだね!2ヶ月ぶり?
お姉ちゃん
お姉ちゃん
そうだね!あの時アイナ、帰国してたからね。そういえば妹連れてきたの!ほら、挨拶して
ムンビョル
ムンビョル
ビョリです、よろしくお願いします!
私が堅苦しく挨拶をしてペコっとお辞儀をすると、少し不思議がるような顔をしたあとで大きく笑った。
アイナ
アイナ
あははは!真面目なんだね!
ムンビョル
ムンビョル
えっ!そんなことない
アイナ
アイナ
いいんだよ、敬語使わなくて!私アイナって言うからよろしくね。はい、ハグ!笑
そういうと私にちかづいて、熱いハグを交わされて


海外に住んでいた私はこんなの慣れっこのはずなのに、久々の人の感覚に顔は次第に真っ赤になっていった。


でも、なんだかとても暖かくて安心する…嬉しかった。


聞いたところ、やっぱりアイナはフィリピンの出身だって。


幼少期に一度旅行で行った時以来だが、ボラカイ島とは違う。


また、もう少し遠い地方だからあの島で聞いた方言とはまた違う言語らしい。


へえ、フィリピンにはいろんな言語が行き交ってるんだ。勉強になったなぁ。


でも、フィリピンらしさを残しつつすごく自然に韓国に馴染んでる。

それがまた彼女の魅力を引き立ててるもんだから、笑顔ひとつだけでもこちらとしては致命的だ。


ちょっと廊下で喋っていたら、何人かハーフ会のうち残りのメンバーも到着した。

リュウ
リュウ
お!噂の妹ちゃんじゃん、俺リョウ!日本人だよ、よろしく
アミー
アミー
妹ちゃんイケメン〜かっこいい女子って感じ!
私はアミー、ラテン系mixだけどペルー人ってことにして!笑笑
ジョイ
ジョイ
やっほ!ジョイだよ、よろしくビョリちゃん。
自分は、フィリピンハーフだよ☺︎
リュウさんは、すこし厳つ目のヤンチャ系お兄さん。


すごく顔立ちが整っていてモテモテらしいが、一個下の彼女さんがいてツンデレに対して甘々というギャップがある。


ちなみに趣味は車とバイクで、この後自慢のアメ車でドライブらしい。楽しみ!


アミーさんは知的なお姉さんって感じ。
現役大学生らしくて、都心のほうに住んでるけどやっぱり真面目で一生懸命アルバイトで生計を立てて生活してる。


そんな彼女にも恋人がいて、同じくペルー人の彼氏。
そんな彼氏に対してはだいぶドSらしく、容赦なくぶっ叩くものだからDV...?と一瞬疑ったものの愛のあるムチだった。彼氏さんも喜んでるし結果オーライだね^ ^


ちなみに酒豪でもある。人は見かけに寄らぬものだね。


最後にジョイさん。
男の子にしては小さめの身長で私よりも小さい。でもすごく顔が小さくて足が長い!


子犬系って感じですごい可愛い。でも見かけに寄らず、結構なプレイボーイらしくて度々問題を起こしては苦労してるらしい。


自業自得だけど、今はちゃんと大切な彼女さんがいて毎日バイクで迎えに行ったり世話を焼いたりと年下彼女を思うまま可愛がってる。


人は変われるものなんだね。
お姉ちゃん
お姉ちゃん
そいえば話したっけ?
ムンビョル
ムンビョル
何を?
お姉ちゃん
お姉ちゃん
ジョイ女だよ
ムンビョル
ムンビョル
えっ!!!!!!そうだったの!ごめん、つい男かと…
ジョイ
ジョイ
あははは!大丈夫、実際は女の子というより中性かな。戸惑うだろうけど、あんまり気にしないで♪
どうりで声が高くて私より背が低いと。


その発言で全ての合点があった。


でも体は女の子なのに自分のしたいように生きて、さらにモテモテなんて感心しちゃうなぁ。


私も頑張ったらあんな感じになれるかな?自由に生きて自分を愛せる人になりたいな。




そのあと自己紹介を進めると、いろんなクラスを訪問してお店などを楽しんだ。


全日制の高校に始めてきたけど、後悔したかも。


だって、どこも楽しそうに笑ってるんだもん。
みんな笑顔が輝いてる。


私が今までビクビクしてたのが馬鹿みたいだ。


色んなゲームを楽しんだり、生徒の手作り料理を堪能して、さらにこんなものまで…
アイナ
アイナ
じゃーん!おっぱいアイス!!笑笑
リュウ
リュウ
だっははは!!勘弁してくれよ、俺21だぞ!?
ジョイ
ジョイ
あはは、リュウくん犯罪?
アミー
アミー
それ言ったら私もでしょ!つべこべ言わずにほら一気!
アイナ
アイナ
ね〜酒ヤクザのノリ出さないでよ、ここ高校(笑)
私にそんな常識はないけど、どうやらみんな若くしてもうお酒の飲み方を覚えてるみたい。


わ、私もそのうち飲むのかな?
いや、、遠慮してお茶でも飲もうかな、その時が来たら。


そのあとも校内を回って、いろんなクラスを見て回ったりアイナちゃんの友達や先生に挨拶をして。


それにしてもアイナちゃんの人脈の広さにはビックリだよ。。
お姉ちゃん
お姉ちゃん
このあとどこ行こっか?
文化祭も終盤に差し掛かった頃、私達は一足早めに学校を出てリュウくんの車に乗り込んだ。


ムンビョル
ムンビョル
わぁ…
リュウ
リュウ
かっこいいだろ俺の車!自慢のクライスラーだぜ♪
リュウ
リュウ
あ〜この品のある顔が愛おしいよ、ちゅっ💋
アミー
アミー
勘弁してよ、愛重たすぎ!笑
ジョイ
ジョイ
居酒屋いく?安定にち○ちゃん
リュウ
リュウ
おっ、いいな!俺も腹減ったし、バカ盛りの飯くいてぇしな!
お姉ちゃん
お姉ちゃん
おっけー!そこにしよっか!!
そして私はなにがなんだか分からないまま、みんなの流されて慣れない都会の道をクライスラーで走り抜けていく……

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