そう独り言を呟くとフィインは急いで乱れた服を直す。
そしてこちらへ振り向くと
そう言って私の顔をパシッと軽く叩く。
そしてアミーが部屋に入ってくると何故かわからないけど謎の焦燥感に襲われて寝たフリをした。
そこから私の記憶は途絶え途絶えだけど
その後また何人かの足音が聞こえてきて、みんなが帰ってきたのが分かる。
薄ら目を開くとみんななんだか焦った様子。
何人か潰れて寝てる人もいるけど、フィイナ、アミー、リュウくん、そしてお姉ちゃんだけがまだ起きている感じ。
空になったウィスキーの瓶をカラカラと振るお姉ちゃんが見えた。
ウィスキーを飛ばしたせいか悪酔いしたみたいで、周りも見えずに服を脱ごうとして周りに止められてる。
そのまま不貞腐れたように立ち上がると、お酒を買いに行くと言ってリュウくんと部屋を出ていってしまった。
お姉ちゃんが酔うところは初めて見たけどいつもこんな感じなのかな?
普段の明るくて優しいお姉ちゃんとは対照的で、初めて見るそんな姿に困惑する。
アミーがもそもそと布団に篭り、寝る体勢にはいる。
ジョイとアイナはアミーのとなりだし、リュウくん達は必然的にロフトで寝ることになる
なんだか、不安だなぁ…
空き缶を1人片付け終わると、フィイナは迷わず私のいるベッドにくる。
小声で私に話しかけてきたフィイナ。
私の隣で寝たいんだろうな、ドカッと占領していたベッドの壁側を空けてあげて横になったフィイナは私の手を掴んで自分の体に回した。
部屋の灯も消えてみんな寝静まった頃、それとは逆に私の心臓はうるさく騒ぎ立てている。
フィイナのうなじに顔を埋めて静かに匂いを嗅ぐ。
あぁ…香水の甘い匂いがする。
フィイナ、もう寝ちゃったかな。
目を閉じればさっきの記憶が鮮明に呼び起こされて、落ち着いていられない。
自然と動いてたみたいで、それを察したのか
フィイナのお尻が私に押し付けられてるのが分かる…
私もそれに応えるように、無意識のうちに腰を深く強く押し付けていた。
どんどん理性が消えそうになって手繰り寄せての繰り返しなのに
理性の糸を切ろうとしているかのように、ぐりぐりとお尻を当てつけられる。
耳鳴りがするような静寂の中聞こえてくるフィイナの吐息
もう今すぐにめちゃくちゃにしたいほど欲が溢れてくる…
耐えきれずこちらへ振り向くフィイナ…
そう言いつつ顔がどんどん近付いてくる
耐えきれず私はフィイナの顔を掴むと貪るようにキスをした。
そんなフィイナを無視して、脚の間に膝を食い込ませると擦り付けるように腰を振るフィイナ。
必死に懇願するフィイナに応えて、私は責めるのをやめた。
どこか寂しいような雰囲気を埋めるようにフィイナの胸を埋まるようにして眠りについた…。
フィイナの息が荒いのがわかる…必死に息を整えている。
ガチャッ
また2人を遮るように部屋のドアが開く音がした。
私たちを止めるいいきっかけになったのか、なんとか落ち着いたけど…
なんだか、嫌な予感がする…
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!