第7話

#7 dangerous woman
812
2020/08/28 15:02
ジョイの家に着いた後もあいも変わらずぐったり。


一人暮らしにしてはなかなか広めの部屋で、1DKに広々としたロフトが付いてる。


部屋にベッドが置いてあるが、来客が多い時は床とロフトにマットレスを敷いて10人くらいは余裕で寝れるみたい。

みんなはまだ遊び足りないようで、アイナ、ジョイ、リュウくんはカラオケへ。


アミーは私のためにコンビニまで行って色々買ってくれた。お酒もね。


フィインは……
フィイン
フィイン
まだ気持ち悪い?
ムンビョル
ムンビョル
ううん、復活したよおかげさまで。ありがとう
具合が悪かった私の為にわざわざ付き添ってくれていた。


ベッドで横になる私と、フィインはベッドサイドに座って私の頭を優しく撫でて他愛もない話をする。
フィイン
フィイン
ビョリ、歌うまいって聞いたよ
フィイン
フィイン
一緒にカラオケ行って歌声聴きたかったな〜
ムンビョル
ムンビョル
そんなでもないよ。ちょっと練習した程度だし
フィイン
フィイン
今度2人でカラオケ行こ、そしたら一緒に歌ってくれる?笑
ムンビョル
ムンビョル
フィイナも歌えるの?カラオケじゃなくてもいいのに
フィイン
フィイン
まぁね〜それなりには経験積んだつもりだよ。クラブ行った時は踊るしね!
ムンビョル
ムンビョル
いつも何歌うの?
フィイン
フィイン
ん〜やっぱKPOPかな?
ムンビョル
ムンビョル
あれ、そういえばフィイナって韓国人だよね?
フィイン
フィイン
ん?そうだよ、純韓国だけどハーフ友達が多いからあんまり韓国感はないかも?
ムンビョル
ムンビョル
だよね。最初韓国かなって思ったけど、名前が変わってるからどっちだろーってずっと悩んでたの(笑)
フィイン
フィイン
いわゆるキラキラネーム?笑
私は気に入ってるけどね。
フィイン
フィイン
ビョリは何聞くの?
ムンビョル
ムンビョル
私も最近韓国語勉強し直すついでにKPOP聴いてるかな〜有名な曲しか聴かないけど…。
フィイン
フィイン
そうなんだ、なんか歌ってみせてよ笑
ムンビョル
ムンビョル
え〜恥ずかしいからフィイナも歌って?笑
フィイン
フィイン
ん〜有名な歌?eyes,nose,lipsは?
フィインが提案したのは、BIGBANGのSOLさんが歌う言わずとしれた有名な曲。

知らず知らずのうちに傷付けて、離れていってしまった恋人に対する恋しさを歌った名曲だ。
ムンビョル
ムンビョル
じゃあそれにしよっか!いくよ、3,2,1...
私が3回指を鳴らして合図する。


そして歌い始めると、さっきまで落ち着いた低い女性の声とまた違う…透き通ったクリアなボイスで綺麗なハーモニーを作り上げる。


歌いながら私はそんなフィイナから目が離せなく、気付けば夢中になって魅入られていた。
ムンビョル
ムンビョル
君の目鼻口もそっと触れた小さな手…未だに感じてるのに
フィイン
フィイン
炎が黒く焼け落ちたように僕らの愛…辛すぎるから今君を呼んでるよ…
しばらくの沈黙が走る…
ムンビョル
ムンビョル
私…フィイナの声、好き
フィイン
フィイン
ありがとう…
なんだかちょっとシリアスな雰囲気にお互い戸惑いつつも、何故だか不思議と言葉が止まらない。
ムンビョル
ムンビョル
夢にまでみたことなの
フィイン
フィイン
え?
ムンビョル
ムンビョル
ずっと篭ってた数年間、私は1人で歌ってた。
ムンビョル
ムンビョル
いつか誰か一緒に歌ってくれないかと…探しても探しても求めてたものと違くて
ムンビョル
ムンビョル
私、ずっとフィイナみたいな人を探してたの
フィイン
フィイン
フィイン
フィイン
私もあんたの声、好きだよ
ムンビョル
ムンビョル
ほんとに?
フィイン
フィイン
落ち着いた優しくて、でもどこか冷たさを感じる
フィイン
フィイン
なんて言うんだろうね、言葉に表しづらい。でも、ビョリから感じるんだ…?
フィイン
フィイン
甘い声、感情
フィイナは私の顔をじっと見つめるとその言葉を止めて、視線を私の唇に向けた。

久々なこの感じに一瞬ごくっと息を飲んだ。

だって嫌ってほど伝わるんだもん…フィイナが何を考えているのか。


フィイナが優しく私の唇を撫でるように優しく触れる…
フィイン
フィイン
そして…吐息
フィイン
フィイン
もっと、もっと深くビョリを感じたい…そう思った
ムンビョル
ムンビョル
うん…
フィイン
フィイン
キス、していい…?
お互いの目が合うと、どちらからともなく目を閉じて顔を近付ける


私の唇をそっと撫でていたその温かい手は、私の顔に包み込むように添えられて。


そしてゆっくりと、長く、甘い口付けを交わした。


こんな深いキスは人生で初めてだけど、感情に身を任せて…


今まで唇を軽く合わせて咥えたり、吸ったりするだけのスローなキスだったのが


フィイナが私をベッドに押し付けるように押し倒したのを合図に、激しさを増す。


弾力のない柔らかいフィイナの舌が私の唇に触れる


目を閉じれば身体の細胞すべてに感覚が全集中して、私の脚の間にあるフィイナの膝が当たって今まで味わったことのない妙な興奮を覚えた…
ムンビョル
ムンビョル
ん…
フィイン
フィイン
嫌じゃない?
ムンビョル
ムンビョル
なにが?…
フィイン
フィイン
私と"こんなこと"するの
ムンビョル
ムンビョル
ううん…私も、どっちもイケるから…
フィイン
フィイン
ふふ、そっか…よかった
不意にくるフィイナの優しい微笑みに心の音がきゅっとする。


ちゅっと軽く唇にキスをして、おでこから頬にかけてなぞるように甘いキスを落とすと


そのまま耳から首に、下へ、下へと口付けをする。
フィイン
フィイン
ねぇ、跡つけていい?
ムンビョル
ムンビョル
う、ん…
フィイナが私の首筋に沈み込むと、くすぐったさと快感の入り混じった感覚に耐えるように


ずっと撫でていたフィイナの柔らかい髪をきゅっと掴む。


しばらくして私から離れると、満足げにその跡を親指でなぞって艶美に微笑む。
フィイン
フィイン
思ったより濃くなっちゃったかな…?あはは
フィイン
フィイン
ねぇ、ビョリ…キスだけ?
ムンビョル
ムンビョル
…いいの?
フィイン
フィイン
私にも触ってほしい、な…
オーバーサイズのパーカーに包まれてよく見えないフィイナのボディライン。


少し乱れた首元から覗けばちらっと見える綺麗な鎖骨に刻まれたタトゥーと、黒のブラ紐が私の想像を掻き立てる。


もはやここがどこかすら忘れて、フィイナの腕を引っ張って体勢を逆転させると再び深く唇を合わせる


そして服の裾に手をかけると…




ガチャッ
ムンビョル
ムンビョル
フィイン
フィイン
…なんだよ、もう

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