第14話

#14 couch
535
2020/12/23 21:10
ムンビョル
ムンビョル
ジョイさん、チー牛特盛り温玉付きでーす
ジョイ
ジョイ
ありがとう〜♡随分と遅かったのね〜?
フィイン
フィイン
タバコ買うついでに一服してた
アミー
アミー
フィイナ、タバコ臭い。
フィイン
フィイン
はいごめんなさい着替えてきます(早口)
アミー
アミー
くんくん…おい、フィイナお前ビョリちゃんにも吸わせたろ
フィイン
フィイン
ぎくっ…すいませんでした…
アミー
アミー
うっわ、チー牛くっさ!!
ジョイ
ジョイ
う〜ん美味しそうなスメルがするの〜♡
アイナ
アイナ
あはは、アミー楽しそうだね!!
アミー
アミー
どこがよ!あんたらがいると忙しくなるわ!
ムンビョル
ムンビョル
慌ただしいなぁ…
アイナ
アイナ
早く着替えな、アミーに怒られちゃうよ!着替えなら洗面台の横に置いといたから!
フィイン
フィイン
あーい
アイナに急かされて慌ただしいまま2人で洗面台の所へ向かった。


言われた通り、洗面台の横にある洗濯機に2人分の服が置いてあったけど雑に置かれていた。


一目見てアイナだなって分かった。
これだから習慣が怖いよ…笑
フィイン
フィイン
シャワー浴びよっかな〜
ムンビョル
ムンビョル
あ、借りていい感じ?
フィイン
フィイン
全然いいよ〜タオルここだから
慣れたようにタオルを取り出したフィイナ。


自分の家かよ…笑
ムンビョル
ムンビョル
フィイン
フィイン
………えっ。
フィイン
フィイン
…一緒にはいる?
なんだかそういう流れだなって、勘付いてはいたけど…


少しだけ顔を赤くしながらこっちを見つめるフィイナと、その先を考えていると思考回路がショートしそうに…


いやいやいやだめだめだめ


みんなに怪しまれちゃう。アミーの家なのに。
それに見られるの恥ずかしいし…なにより


止められる自信が…ない。
ムンビョル
ムンビョル
いや、やめとく…見られるの恥ずかしいし。先入って!
フィイン
フィイン
あ、うん。ごめん
ムンビョル
ムンビョル
あっちで待ってるね
あぁ…焦った。


今すごく体が熱い。


最低だな、私。フィイナのこと想像して、こんなんになってるなんて…。


今まで経験はそれなりにしてきたはずなのに、不慣れに振る舞う自分が恥ずかしい。


このままみんなに顔を合わせるのはなんだか気が引けるから、一人廊下で酒瓶を片手に頭を冷やしていた。


すっきりした味わいと微炭酸で多少シャキッとしたけど、


もしあのまま一緒にお風呂に入っていたらどうしてたんだろう。


きっとキスどころでは済ませられなかっただろうな…


またあの夜のことを思い出す。
まだフィイナの全てを見たわけじゃないけど、あの時触れた感触から誰よりも女性らしいのが伝わってきてた。


これ以上思い出すまいと自分を追い込むようにお酒をグイッと流し込み、髪をぐちゃぐちゃに掻き回す。


すると、壁の奥から鼻歌が聞こえてきた…



〜♪
ムンビョル
ムンビョル
…フィイナ?
私の声は聞こえてないだろうな。


浴室の中で声が響き渡って、フィイナの綺麗な声をより一層美しく引き立たせる。


なんの歌だろう。


すごく優しくて、でもどこか切ないメロディー。


目を離せば今にも消えてしまいそうな…フィイナにぴったりの歌。


フィイナの声に夢中になっていると、気がついたころにはお酒を飲み切っていた。


瓶も空っぽになったし、キッチンの端に一旦置いて洗面所に向かうことにした。


フィイナ専用の着替えかな。少し小さめの服。


出てきたフィイナが着替えやすいように、自分の分ときちんと分けて置いておいた


その時…



ガラッ
フィイン
フィイン
あっ…ごめん
ムンビョル
ムンビョル
いやこっちがごめん…早かったね
フィイン
フィイン
タオルとってくれる?
浴室のドアが開く音がしてそっちを向くと、まさかここに私がいると思っていなかったのか…遂に見てしまった


が、咄嗟に目を逸らした。だからしっかりは見ていないけど、どうしよう。心臓が鳴り止まない。


こんなにドキドキしていること、フィイナにバレたくなくてタオルを渡したらさっさと出ようとした…けど…
フィイン
フィイン
待って、出ないで
ムンビョル
ムンビョル
え…
フィイン
フィイン
あ、ちが…すぐ着替えるからってこと!
ムンビョル
ムンビョル
…分かった
狭い脱衣所の中、私はなるべくフィイナのほうを向かないようにしていた。


けど、やっぱり気になって仕方がない。ダメっていうのは分かってる。


でも気配以上会話未満のこの状態で、フィイナが何を思ってるのか…


やっぱ私、出た方がいいのかな。
フィイン
フィイン
ね、ビョリ
フィイン
フィイン
背中拭いてくれる?
ムンビョル
ムンビョル
えっ?
フィイン
フィイン
手が届かなくて。
フィイナのこの言葉が嘘だってくらい分かってる。


だって、確かにフィイナが手に持ってるタオルはバスタオルよりは小さいけど届かないほどではない。


気にしてないようなフリだけして、誘われるがままにフィイナの背中に触れたその瞬間…
ムンビョル
ムンビョル
ごめん、フィイナ
乱暴に抱きついたせいでフィイナが少しバランスを崩し、壁に手をついた。


分かってる。でも、抵抗してくれないと、私はこのまま…


お願い、フィイナ止めて…!
フィイン
フィイン
っ……
ボディーソープが香るフィイナの背中に舌をゆっくりと這わせ、うなじにキスをした


壁に手をつくその反対側の手で口を塞いで必死に声を抑えるフィイナ。


お互い分かってるんだ…でも、今更止めることなんて出来ないよ。


だって、ずっとこうしてフィイナに触りたかったんだから…

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