氷鷹北斗side
時刻は放課後
先生とのすれ違いざまに流星のカバンを
保健室に届けてくれと頼まれてしまった…
被害者のきららは心の傷が深いとして、
ここ数日は学校に来れていない
それもそうだろう、同じプロデューサーとして信頼していた相手に裏切られれば誰だってそうなる
保健室の前まで来て、入ろうとした時だった
おとの声がした、何やら話しているらしい
起きているならカバンくらい取りに来ればいいのに
……ん?この声はあんずに、Ra*bitsか?
よく聞くと、おとの声が震えている…?
盗み聞きの趣味がある訳では無い
変態仮面ではあるまいし…←
だが、保健室の扉の前で聞いていた話は
思ってもいない程壮絶はものだった
母親が死んだ?
父親に虐待された?
逃げてきた?
傷を隠すために黒タイツを着ている?
本当にそんなやつが、人を虐めるのだろうか?
俺はそんな疑問を抱いたまま、保健室の前におとのカバンを置いて立ち去った
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!