第42話

出会い
4,449
2020/02/10 08:44
私とちあ…守沢先輩は公園で出会った


私が高校1年生、先輩が2年生の時




私はまだ父親から逃げてはいなくて
その日は寒い中締め出されてしまったので公園で一夜を過ごそうとしていた


なんとなくブランコをキィキィと鳴らしているとドボドボと歩いている人を見つけた

またなんとなくその人を見ているとその人は
こちらを向きピタッと止まったと思えば
その人はこちらに走ってきた



『(えっなになに怖い)』


その人は私の目の前まで来ると


千秋「こんな所で何をしてるんだ??」


と尋ねた。
それが守沢先輩だった
遠くで見た時は気付かなかったであろう私の傷に驚いた様子で言った


千秋「どうしたんだその傷は!?」

『あの、えっと…』

千秋「少し待っていてくれ!簡単な消毒くらいはしてやれる」
そう言うと彼は自身のバッグの中から消毒液と絆創膏を取り出し手当をしてくれた


……なんで、こんなもの持ってるんだろう


手当てが一通り終わると私たちの間にはなんとも言えない気まずさが漂っていた


『…あの、ありがとうございます』

千秋「いや!いいんだ、その…君の傷は…」


「言いたくなかったらいいんだ!」と慌てて付け足す彼。


『はは、こういう趣味の彼氏でして』
そんなのウソだ
でも言わなければ疑われるだろうし
虐待だなんて言えないし

千秋「なぜこんな事をする恋人と一緒にいるんだ、君は辛くないのか?」

『、、』

恋人もなにも、そんな人居ないからなんにも響かない

でも、辛くないかと問われればとても辛い


毎日、今日こそ殺されるかも知れないとビクビクしながら生きている

痛い
辛い
泣きたい


ポロポロ
気付けば私は泣いていて

『うぐっ、ふぅうっ、』

千秋「…泣いてしまう程辛かったんだな。いいよ、今日はめいいっぱい泣けばいい」




私は守沢先輩の胸で泣いた
泣いて泣いて、泣き倒した

泣き終わるまで守沢先輩は一緒に居てくれた





その後にお互いの自己紹介をして


守沢先輩のいる学院は腐りきっていること
守沢先輩がそれを変えたいと思っていること
この日もメンバーが練習に参加してくれなかった事
ガラの悪い生徒に巻き込まれ怪我をする事もあるので絆創膏などを持ち歩いていること

ヒーローに、なりたいと思っていること

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