大神「お前ほかに何かあるだろ」
大神くんに言われた時ビクッと肩が揺れた
恐らくいじめの事や今のお仕事の事だろう
……言っても良いかな
なんかこの2人なら大丈夫な気がする
零「嬢ちゃんや、きららの嬢ちゃんの事はどうなって
おるのじゃ?」
ピンポイントにくるね?!
おと『…どうだと思う?』
どうだ、なんて聞かれてもなんて答えれば良いかわかんないからお返しした
こんなのタダの、その場しのぎなんだけどね
大神「俺は、お前はやってないと思ってる」
零「我輩も勿論嬢ちゃんの味方じゃ…♪」
おと『…そっか、ありがと』
信じてくれるんだ
おと『全部話すよ、2人には』
それからいじめに関しての全てを話した
カッターキャーの事や、
それをきっかけに皆が離れていったこと
本当はとても辛かったこと
きららが来る前の学園に戻りたいこと
すべて、すべて。
話すと朔間先輩は何も言わずに頭を
ぽんぽんしてくれた
ああ、あったかいなぁ
こんなにあったかいのは久しぶりだ
今まで誰にも言えなかった本当の気持ちも
全部吐き出せた
ちょっとだけ、心が軽くなった気がして
おと『…ありがとう、本当に』
この2人には、嘘は吐きたくない
だから、全部言おうと思う
おと『2人には全部言うよ』
そういうと2人の頭にはクエスチョンマークがうかぶ
私はフードとマスクを取った
ちょっと恥ずかしいし、
顔が守られていない気がしてそわそわする
大神「はっ…?!」
零「おや?何処かで見かけた…あぁ、」
零「''音想星 桜空"ちゃんじゃな…♪」
朔間先輩は私の『芸名』を口にする
大神くんは私と朔間先輩を交互に見て口をパクパクさせている。
驚きを隠せない様子だ
私の芸名は
音想星 桜空 オトボシ サクラ、だ
…知っててくれたんだ、ちょっと嬉しい
おと『うん、でも私が桜空な事は誰にも言わないでね』
零「それくらい解っておるよ…♪」
零「ところで嬢ちゃんや、もう外は暗い。
てことでコーギーが家まで送るぞい♪」
晃「俺かよ?!?!いや別に、嫌じゃねぇけど…」
おと『ふっ…wありがと』
小さく吹き出した私を見て笑うな!!と恥ずかしそうに叫ぶ大神くんとそれを微笑ましく見る朔間先輩。なんたが心地いいなぁ
帰りは大神くんに送ってもらった
その間に『大神くん』から『晃牙くん』呼びに、お互い名前呼びにする事にした
これはちょっと仲良くなれたのかな…?
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!