『…とまぁ、こんな感じかな』
おとがその守沢先輩という人とのお話を話終えると、1限目の始まりを知らせるチャイムが鳴った
『わ、ごめんねハル。授業遅れた』
なにかを誤魔化すように笑うおと
でもそれはどこか寂しい笑顔で
ハル「笑わないで」
そう言ってもう一度、ぎゅっと抱きしめた
ハル「…無理に笑わないでよ。俺の前でくらい」
『っふ、うぅぅ…っ、』
今まで我慢してきたのだろう。
その言葉をしきりにボロボロと涙が溢れている
『っ、わたしはっ、しんっじてたのに…
やっと、幸せになれたとっ思ったのに…
ちあきはっ、!信じてくれなかったっ!
あんなに一緒に笑ったのに
わたしが1番に助けを求めたのはっ、
千秋だったのにぃ…っ』
ハル「うん、うん、いいよ。全部言って」
背中をぽんぽんと撫でながら優しく声をかける
……俺なら、そんな思いさせないのに。
おとが本気で傷付いているのにこんな事を考えてしまう自分が憎い
その後もおとほ泣き続けて結局1限目はサボってしまった
2限目から行くと鳴神や同居人のあんずちゃん等に心配された
それをみて、
おとがちゃんと愛されているのだと安心した反面、少し悔しくもなった
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!