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第3話

14年目の、人生達観
リオ
リオ
当たり前だろ。
他に何があるんだ、ここに
リン
リン
……リオ。
アンタ、それ地元の人に土下座要求されかねないわよ
リオ
リオ
だけど、実際そうだろ?
人間関係が安定していなければ、魅力なんてないだろ?
リン
リン
んー……。んー……。
リオの言いたいこと、分からないでもないけど
つまり、何だ……。
リオは、私のことを……。って、まさか……!!
リン
リン
……嘘でしょ!?
リオ
リオ
あ、話が脈絡なくぶっ飛んだ様子を見ると……。
流石に鈍いリンでも色々感づいたかな?
リン
リン
ちょっ……。それ、どういう……!?
リオ
リオ
どうもこうもリンが想像してる通りでいいよ
リン
リン
てか、何で『今』そんな話を突っ込んできたの!?
リオ
リオ
あー。ずっと変わらない関係にあぐらをかいてるリンにムカついてね。
こっちの気持ちなんて御構いなしに変化しかけてる環境にも。リンに寄り添う選択を自らの意思で選んでいる人がいるからこそ、成り立っている事実にも
リン
リン
…………
リオ
リオ
だからかな、ちょっと牽制。
トンビに油揚げ取られるなんて、ゴメンだし
リン
リン
トンビに……油揚げ?
リオ
リオ
そっ!
きっとリンは初めて告白された人に雛鳥みたいに好意を持つと思うんだよね。
だから、まあ。丁度良い機会だし、免疫つけてもらおうかなあと
リン
リン
免疫、って……
ぽんぽん飛び出すリオの破壊力のある言葉に、真っ赤な顔をして復唱するだけで精一杯だ。
リオ
リオ
これからきっと、村人以外に関わるケースが一段と増えると思うんだ。
その時に情にほだされないように。リンが心から好きと自覚した時に、然るべき人と付き合えるための準備ってこと!
リン
リン
…………
リオ
リオ
だから、今は告白なんてしないよ。
もっとも、リンは知ってるよね?
俺が負け戦なんてしないってことも……
そう言っているリオは、実に爽快な笑みを浮かべている。

リオは全部分かってやっている。
お子様な私が相手では『今』告白したところで、宙ぶらりんな結果になる可能性があることも。これから、二人の環境が劇的な変化が訪れることも。何もかも分かった上で……。
リン
リン
(……悔しいけれど、リオの手のひらで転がり続ける人生なんだろうなあ)
その事実が嫌とは思えないから、質が悪い。
全てが首尾よく進む様子を見越したようなリオを見ていると、一周回ってスカッとしてくるから不思議なものだ。

都会への進出を打診された人は伊達じゃない。
そんなことを思わずにはいられなかった、14年目の春。


【end.】