私、月城 ゆりあは目の前で起こっている出来事に愕然としています。
そう、ネコさんが…………
なんでこういうことになっているかというと…………
《数時間前》
ペット用の容器にキャットフードを流し入れながら、私はネコさんをなだめた。
すると、近くにあったシャツに引っかかって転んでしまった。
唇にもふっとしたものが当たった。
その瞬間、目の前が真っ白になった。
《現在》
ショック……ファーストキスがネコ…………
また、唇に柔らかいものが当たった。
不意に唇に柔らかいものが当たった。
目を開けると、そこには人間姿のネコさん……じゃなくて、あの、“電車の男の子”がいて…………
上目遣いで見つめられたからドキッとしちゃった。
ネコさん、コロコロ表情が変わって面白いなぁ。
さっきから何言ってるんだろ?
お母さんが上がってくる音がした。
ガチャッ
人生最大のピンチかもしれません……
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。