第2話

2話 白玉悠里登場
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2021/03/19 11:46
京極 一冴
京極 一冴
は?
白玉 悠里
白玉 悠里
だから、君の歌を
隣で聴いていいか聞いてるんだけど?
そいつは、ニコリと笑顔を
崩さないまま俺の元へ近づいて来た。
京極 一冴
京極 一冴
まだ、俺…
良いなんて言ってないけど
白玉 悠里
白玉 悠里
嫌なら嫌って、言ってもらえると
わかりやすいんだけど…
京極 一冴
京極 一冴
いや、別に
そこまでは…
白玉 悠里
白玉 悠里
じゃあ、隣に座るね
京極 一冴
京極 一冴
ドスっ…

そいつは、スカートなのに
勢い良く地面に腰を下ろした。
京極 一冴
京極 一冴
スカート汚れるぞ?
白玉 悠里
白玉 悠里
何?
それなら、ズボンだって
同じでしょ
京極 一冴
京極 一冴
いや、気にしねえのかって話
白玉 悠里
白玉 悠里
うん、私は平気
うう、変な奴。こういうタイプは、
何するか想像できないから苦手だな…
京極 一冴
京極 一冴
そもそも、いつから
いたんだよ!
白玉 悠里
白玉 悠里
さっき
京極 一冴
京極 一冴
よく、屋上に来ようなんて
思ったな!
京極 一冴
京極 一冴
お前、噂知らねえのかよ?
ポリポリと、首の後ろを
かきながら、俺はため息をこぼす。
白玉 悠里
白玉 悠里
噂?何のことだろう…
白玉 悠里
白玉 悠里
私、最近この学校に転入してきたから
まだこの学校のルールがよくわからなくて…
そいつは、わざとらしく
驚いたマネをすると…
白玉 悠里
白玉 悠里
もしかして、ここの屋上は
あなた専用だった?
と、目をパチパチと瞬きをした。
京極 一冴
京極 一冴
いや、俺専用とかねえから
白玉 悠里
白玉 悠里
じゃあ、あなたが仕切る
縄張りと言うことね?
京極 一冴
京極 一冴
いや、島じゃねえよ!
それに、俺は不良じゃねぇ!!
白玉 悠里
白玉 悠里
そ、その見た目で?
京極 一冴
京極 一冴
う、これは
俺のファッションだ
なんか、堂々と宣言した
自分が恥ずかしく思えるが、青髪女子は
ケタケタと笑っていたので、俺はますます
深いため息をついた。

なんか、こいつと話すとめちゃくちゃ
疲れるんだけど…
京極 一冴
京極 一冴
お前さ、幽霊の噂知らねえの?
白玉 悠里
白玉 悠里
幽霊の噂?
京極 一冴
京極 一冴
ここの屋上、出るらしいぜ
京極 一冴
京極 一冴
昔飛び降りた、女子高生の
幽霊がさ・・・
少しからかってやろうと思った。
何となく、意地悪をしてみたい。
白玉 悠里
白玉 悠里
そうなんだ〜
そいつは、それだけ言うと
フンフンと鼻歌を歌い出した。
京極 一冴
京極 一冴
反応薄いな
白玉 悠里
白玉 悠里
うん、私・・・
昔から、オカルトより化学を信じる
タイプだったからね
京極 一冴
京極 一冴
あっそ
俺は、グルっと背を向けて、フンと
鼻を鳴らした。
白玉 悠里
白玉 悠里
それより、何か歌ってよ
京極 一冴
京極 一冴
は?
白玉 悠里
白玉 悠里
あなた、面白い声してるね
面白い声してるね?

俺が?まさか・・・
京極 一冴
京極 一冴
冗談も休め休め言えよ
白玉 悠里
白玉 悠里
冗談じゃないけど?
京極 一冴
京極 一冴
それなら嫌味?
白玉 悠里
白玉 悠里
すぐ怒るの、良くないと
思うよ
京極 一冴
京極 一冴
は?怒ってないし
白玉 悠里
白玉 悠里
怒ってるよ、だって
白玉 悠里
白玉 悠里
背中向けてるし、イライラしてるし
京極 一冴
京極 一冴
・・・
京極 一冴
京極 一冴
じゃあ、離れろよ
いちいち、うるさい奴だな。

俺が、どんな態度していようが
周りには、関係ないのに。
白玉 悠里
白玉 悠里
まあ、いいよ。
今日はもう、クラスに戻るから
京極 一冴
京極 一冴
ああ…
白玉 悠里
白玉 悠里
じゃあ、また明日!
京極 一冴
京極 一冴
・・・
京極 一冴
京極 一冴
え?
白玉 悠里
白玉 悠里
私、3年2組の白玉しらたま悠里ゆうり
白玉 悠里
白玉 悠里
じゃあねっ!
京極 一冴
京極 一冴
お、おいっ
ガチャン____
白玉しらたまは、勢い良く屋上の
ドアを閉めると、風のように消えていった。
京極 一冴
京極 一冴
あいつ、また来るとか言ってたか?
京極 一冴
京極 一冴
・・・うへぇ
何だろう、なんか嫌な予感がする。

こうして俺の昼休みは、もやもやしながら
終わっていったのだ。

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