そいつは、ニコリと笑顔を
崩さないまま俺の元へ近づいて来た。
ドスっ…
そいつは、スカートなのに
勢い良く地面に腰を下ろした。
うう、変な奴。こういうタイプは、
何するか想像できないから苦手だな…
ポリポリと、首の後ろを
かきながら、俺はため息をこぼす。
そいつは、わざとらしく
驚いたマネをすると…
と、目をパチパチと瞬きをした。
なんか、堂々と宣言した
自分が恥ずかしく思えるが、青髪女子は
ケタケタと笑っていたので、俺はますます
深いため息をついた。
なんか、こいつと話すとめちゃくちゃ
疲れるんだけど…
少しからかってやろうと思った。
何となく、意地悪をしてみたい。
そいつは、それだけ言うと
フンフンと鼻歌を歌い出した。
俺は、グルっと背を向けて、フンと
鼻を鳴らした。
面白い声してるね?
俺が?まさか・・・
いちいち、うるさい奴だな。
俺が、どんな態度していようが
周りには、関係ないのに。
ガチャン____
白玉は、勢い良く屋上の
ドアを閉めると、風のように消えていった。
何だろう、なんか嫌な予感がする。
こうして俺の昼休みは、もやもやしながら
終わっていったのだ。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!