第6話

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2021/10/07 12:48




とその時、部屋に入ってくる足音がして、数秒後、クローゼットが開いた。

レナだ。

「みーっけ! あっ、お兄ちゃんもいたんだ」
「あーあ、見つかっちゃったね。華ちゃん」
「ぅ、うん」
「華ちゃん、顔真っ赤。大丈夫?」

レナからそう指摘されて、ドキッとしたけど、さっきのことは秘密にしないとと思って誤魔化した。

「そ、そっかな。ヘーキだよ」
「そう?」
「うん」
「ならいいけど」

そう言って、レナは部屋を出て行った。

お兄ちゃんが後ろから私の頭を撫でる。

「お利口さんだね」
「う、うん」
「ご褒美いっぱいあげるから」
「ぇ……ぁ、うん」

ご褒美?
何をもらえるんだろう。

わからなかったけど、なんだかちょっと楽しみなのは、お兄ちゃんが好きだから。

これは秘密ごと。

誰にも言っちゃいけない。

お兄ちゃんと2人きりで会うの楽しみだな。





【続く】

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