第50話

貼り付けの笑顔
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2020/08/10 03:26
霧先美優
霧先美優
ももはね昔から人と接するのが苦手だったの
霧先美優
霧先美優
だから皆んなが声をかけても頷く事しか出来なくてね
霧先美優
霧先美優
でも私が初めて喋りにいった時は、
私の話をずっと聞いてくれてて
霧先美優
霧先美優
我ながら近くでよく見ると可愛い顔しててさ私の話を精一杯聞いてくれてて私は、嬉しかった
霧先美優
霧先美優
でもね最初は、私もあんまり好きじゃなかった
みんな
みんな
え、
霧先美優
霧先美優
笑った顔とか楽しそうな事してるのに何一つ表情変えずにしてるからちょっとムカついた
霧先美優
霧先美優
けどね私が見てないところでは、沢山の人達に助け船出しててさ自分のことは、後回しにしてなんでも他人が先だった
霧先美優
霧先美優
で、笑った顔とか見たことなかったけど一度だけ見たことがあるんだ
霧先美優
霧先美優
帰り道に道端で俯いてなにかを撫でてた
霧先美優
霧先美優
そしたらさ捨て犬と戯れあっててさその時の顔が
霧先美優
霧先美優
一番表情筋緩んでて笑ってた心から本当の笑顔してた
霧先美優
霧先美優
この子もこんな風に笑うんだって思っただから仲を深めて少しでも笑って欲しいって思ったけど
霧先美優
霧先美優
影では、なにも喋らないからいじめられてた
霧先美優
霧先美優
最初は、悪口だけを言われてきてたけど私が見ないところでは、暴力振るわれてた
霧先美優
霧先美優
次の日また次の日になると痣の数が多くなって目に見えるようになってきて濃くなっていってたもう見るのが辛かった
霧先美優
霧先美優
けどそんなある日私に言ってきてくれたの
霞もも
霞もも
私虐め受けてるの
霧先美優
霧先美優
それを言ってくれただけで嬉しかった一言も喋ってくれなかったももが言ってくれたから
霧先美優
霧先美優
必死に助けてあげようとしたけど何もできなかった口先だけで虐め受けてるの知ってるのに助けたら自分までやられるんじゃないかって怖くなってさ
霧先美優
霧先美優
けど毎日一緒に帰ったり喋ったりしてると心を開いてくれた
霧先美優
霧先美優
それからは、喋ってくれるようになって少しずつ笑ってくれるようになってた
霧先美優
霧先美優
それから色々相談もしてくれた
霧先美優
霧先美優
皆んな知らないかもしれないけどね
霧先美優
霧先美優
ももは、両親がいないの
みんな
みんな
え!
霧先美優
霧先美優
だから家に帰っても1人ぼっちで接し方に迷ってたんだと思った
霧先美優
霧先美優
あと先生に言ってあげようかって言ったら
霧先美優
霧先美優
本気で否定してきて誰にも言わないでって言い出してさよく聞いたら相談は、したけど代わりにセクハラ行為されてて
霧先美優
霧先美優
誰にも頼ることができなくて虐めもだんだんエスカレートして中学になってからは別だったけど同じように虐めが繰り返されててまた自分を隠すようになってその日から
霧先美優
霧先美優
ももは、
霧先美優
霧先美優
"笑えなくなっていた"の
日向
日向
でもももさんは、いつも笑顔じゃ
霧先美優
霧先美優
あれはね多分皆んなに迷惑をかけないように
霧先美優
霧先美優
ももは、皆んなに対して
霧先美優
霧先美優
私達にも
霧先美優
霧先美優
"貼り付けの笑顔"を向けてたんだと思う
岩ちゃん
岩ちゃん
貼り付けってことは、全部偽物の笑顔だったってわけか
霧先美優
霧先美優
うん
霧先美優
霧先美優
でね私達のチームのコーチがね
めちゃくちゃなひとでね
霧先美優
霧先美優
自分の思い通りにいかないことは、全部私達が間違ってるって言ってさ
霧先美優
霧先美優
すぐ手を出すひとだった
霧先美優
霧先美優
けどももが主将だったから全部ももだった
神崎美琴
神崎美琴
けどねバレーの技術はないんだ
西谷
西谷
じゃあどうやって
白井  霧矢
白井 霧矢
お金の力だよ
影山
影山
お金?
霧先美優
霧先美優
そう汚い組織の中でお金の力だけで物申してきて
霧先美優
霧先美優
唯一のバレーってゆうももの居場所
までも奪われてももは、その日からおかしくなっちゃったの
霧先美優
霧先美優
ハサミでテーピング切ろうとした時に自分の指切っちゃって
霧先美優
霧先美優
結構深くまで切っちゃって
霧先美優
霧先美優
痛いとかないのって聞いたらさ
霞もも
霞もも
ないですね〜痛みには、うといので
霧先美優
霧先美優
とか言っちゃって
霧先美優
霧先美優
そしたらさ急な咳をして苦しそうだった
霧先美優
霧先美優
ももはね生まれつき身体が弱くて余りに激しい動きするといつも咳して酷い時は、吐血もしてたそれから沢山の薬を飲んで自分を追い詰めてた
霧先美優
霧先美優
両親がいる時は、きっと幸せだったのかな虐待は、されてなかったけどももが両親に言いづらくて両親にまで嘘ついてた
霧先美優
霧先美優
けどねいつも公園で優しそうなおじいさんとバレーやってたその人が私達の監督あの人だけがももの救いだった
霧先美優
霧先美優
無理に過去を聞き出そうとせずただ笑ってバレー教えてその時のももが一番明るくて笑顔が輝いてただから本当のお兄ちゃんのように接してた監督も本当の妹のように可愛がってた
霧先美優
霧先美優
だから両親がいなくなっても生きていけてたんだと思う監督がいなかったら耐えられずに自殺してたかもしれないから
霧先美優
霧先美優
多分今日の頭の傷も中学時代の奴らがやったんだと思う
霧先美優
霧先美優
こんな暗い話になっちゃってごめんね
マネ
マネ
ももちゃんにそんなことがあったなんて知らなかっただから料理も自分でやってたんだ
霧先美優
霧先美優
だからさ皆んなにお願いがあるの
霧先 神崎 白井
霧先 神崎 白井
ももを、助けてあげてくれないかな

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