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こうたんside
設定だから。
設定だから僕はいもむしの事を好きでいなきゃいけない。
kunさんに見てもらうにはこういもでネタにしなければいけない。
じゃないと僕の名誉のためだから
ぶっちゃけいもむしの事は好きだけど、恋愛的に愛してるけど設定上だから
誰も疑わないように、いつも嘘を吐く。
でも本当に嫌いじゃない。
設定って言うだけだから。
でも、やっぱり設定だから、設定に従わないといけないから。
設定の通りに話を通さなきゃ
誰がなんと言おうと設定だから。
ある夕暮れの時間。
1番初めにやったオフ会をした公園でいもむしに呼ばれた。
来て1番初めの言葉が" 好き "か。
はぁ…何言ってんのか……意味わからん
そう言ったいもむしの顔は、切ないけどどこか吹っ切れたような顔をしていた。
そんないもむしを僕は睨みつける。
少し涙目になって、どこかに立ち去ろうとするいもむし。
ごめんねいもむし。
僕はいもむしを好きになっちゃいけないから
まさか……いもむし!!
自殺する気か?!
正気かよ!!
悲しげな眼差しでじっと見つめる。
いもむしの目にはもう光がなく、本当に死んでしまうのではないかと不安になる程だった。
……仕方ないやつだな全く。
こんなこと言ってもいいのかな。
設定だから本当にいいのかな。
そんな不安を抱える僕。
本当に弱いのはいもむしでは無く、僕だったのかもしれないね。
いもむしは青ざめていた顔を赤らめて、不安そうな顔がなぜかな可愛らしい笑顔になっていた。
初めはさ、怖くて強がっていただけなの。
こういもで遊ばれていもむしが病んで来なくなったら嫌だったから。
今更そんな理由なんて要らないか…
僕はニコッと笑顔を作り、いもむしの手首にキスを落とした。
設定なんてもう作るのは懲り懲りだよ
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編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。