そう言われたときは、誰だろう?って思った。
まさか友達?って思ったけど、予想外の人が入ってきてビックリした。
そういえば、名前聞かなかったな。
でも、また来てくれるって言ってたし、次来てくれたら聞こう。
まだ、胸がドキドキしていた。
それは、体を痛めつけるドキドキではなく心を暖かくするものだった。
もしかして、彼のことが好きになったの?そう思うと、自然と頬が熱くなった。
一人では、初恋の気分に浸っているとドアが開きお母さんが入ってきた。
お母さんはそれだけ言った。その一言にいろんな意味を感じた気がした。
勇気をだしてそう言ってみた。
すると、お母さんは私の横に座り一息ついてから言った。
どんどん、涙が溢れて頬を濡らした。
すると、お母さんは私の頭を優しく撫でて言った。
お母さんの言葉に、また一筋涙が頬を伝って手のひらに落ちた。
お母さんの目からも涙がこぼれ落ちた。
お母さんが泣く姿は見たくない。そう思った。お母さんは笑っていつも慰めてくれた。だから、ずっと笑っていてほしい。
私は右手の小指をたてた。
そう言うと、お母さんは私を優しく抱きしめた。お母さんのぬくもりが私をそっと包み込んだ。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。