時は過ぎて3年生。
透たちの引退試合で私達はまだ応援することになった。
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放送
もうすぐ試合が始まります。選手の方はスタンバイしてください。
ピーーーっ!
わーーー!
応援席は応援の声で実況の声なんか聞こえない。
ここに音を飛ばすとなるとちょっと不安になる。
ピーーーーっ!
前半戦終了。
桜ヶ丘は一点差で負けてる。これは気合を入れて応援しなくては。
大丈夫かなーとフィールドを見ると透と目が合った。
ジェスチャーで会話をする。落ち込んで無いみたい。少し安心した。
ピーーーーっ!
何度もメロディーを頭に流す。
吹くのはGReeeeNの「愛唄」。サビの一番最初のトロンボーンのメロディは誰もが知っている所だ。
そして、ある言葉を不意に思い出す。
私が楽器を動かす瞬間、みんなの呼吸が1つになる。
その瞬間、応援の声はなくなり、こちらに目線が集まる。
去年1年で全国に桜ヶ丘の名前が知れ渡った。だから観客は少し期待したのだろう。
最初のフレーズ。伴奏以外はみんなで歌うことにしていた。
メロディがバトンのように繋がれていき、次はトロンボーン。
サビの一番最初に音が大きくなるところでトロンボーンが出てくるのがかっこいい。
そして試合終了5分前。
ついに逆転!
そしてそのまま試合終了。
桜ヶ丘が2点リードで勝利!
透の所に行こう!
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編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。