楽屋のドアを開けた瞬間、空気がもわっとした。
星宮「ねえなんか最近暑いよね?エアコンつけたい」
佐藤「え?」
菊池「どこが?」
星宮「いや普通に暑いでしょ」
そう言いながら上着を脱ぐ。
寺西「いや外普通に寒かったけど」
星宮「うそ、もう春じゃん」
菊池「まだ冬」
星宮「いやもう3月だよ?私半袖出そうと思ってるのに」
佐藤「3月はまだ寒いの」
星宮「えー、でも春でしょ」
寺西「“暦の上では”ね」
星宮「それそれ、それなのよ!」
菊池「何がそれなのよ」
星宮「暦の上では春ってことは春なのよ」
佐藤「気温的には違うのよ」
星宮「春だよ」
菊池「寒いよ」
星宮「暑いよ」
寺西「めんどくさいの始まっちゃったー」
そのとき、後ろから声がした。
篠塚「あ、わかります」
全員「え?」
振り向くと、篠塚がコートを脱ぎながら入ってくる。
篠塚「今日ちょっと暑いですよね」
星宮「ほら!!!!」
菊池「え!?」
佐藤「仲間いたんだけど」
篠塚「電車ちょっと暑くなかったですか?」
星宮「そう!!電車暑かった!!」
菊池「電車は暑いよ」
星宮「ほら!」
佐藤「それは電車の話でしょ!」
さらにドアが開く。
原「いや俺もわかります」
原が入ってくる。
原「外寒いけど、建物入ると暑い」
星宮「ほら!!!!!!」
菊池「仲間増えた」
佐藤「なんなのこのチーム」
篠塚「春チームです」
星宮「そう、私たちは春チーム」
寺西「こっちは冬チーム」
菊池「まだ冬チームです」
原「じゃあ間を取って“花粉チーム”とかどうですか」
星宮「それは嫌」
篠塚「それは嫌ですね」
菊池「それは全員嫌だわ」
佐藤「満場一致」
星宮「じゃあやっぱり春です」
菊池「違います」
星宮「春です」
佐藤「冬です」
篠塚「春寄りです」
原「春寄りですね」
寺西「裏切り者が多いな」
星宮「多数決取ろう」
佐藤「取ろう」
星宮「春だと思う人」
星宮・篠塚・原「はい」
菊池・佐藤・寺西「はい冬」
星宮「え、待って」
菊池「どっち?」
星宮「どっちも…同じ?」
佐藤「引き分けじゃん」
篠塚「じゃあ」
原「まだ冬の終わりってことで」
星宮「……じゃあもうすぐ春!っていうのは?どうしても春は譲れない」
菊池「まあそれなら」
佐藤「最初からそれにしとけ」
星宮「え、まだあと3人いないけど引き分け?」
菊池「どうせみんな寒いって言うから」
星宮「そうかなあ、でも私暑いんだよなあ」
菊池「それはお前だけ」
篠塚「いやちょっと暑いです」
原「うん、ちょっと暑いですね」
佐藤「もうこの3人めんどくさい」
寺西「春チームうるさい」
星宮「春チームのリーダーです」
菊池「いつ決まった」
星宮「今決めた」












編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。